日本産いちご、フィリピンへの輸出続く

南山物産、熊本産「淡雪」を三越BGCへ出荷

2025/03/14

 2024年12月に日本産いちごのフィリピン向け輸出が正式に解禁されたのを受け、南山物産(本社:東京都杉並区)は熊本県産の高品質ないちごの輸出プロジェクトを開始した。3月4日、フィリピンでの輸入通関を完了し、マニラ首都圏の三越BGC内のスーパーマーケットである「MITSUKOSHI FRESH」に初出荷を実現した。

 MITSUKOSHI FRESHでは3月6日~26日まで「春のイチゴフェア」を開催し、日本産いちごや関連食品のプロモーションを実施。「淡雪」は、ほんのりピンクがかった希少な白いちごで、上品な甘さと優しい酸味が特徴。日本国内外の高級市場でも人気が高く、フィリピンの消費者にも特別な食体験を提供すると期待されている。

 フィリピン向けのいちご輸出は2024年末に解禁されたばかりで、事前情報が少なく、手続きの不透明さなど多くの課題があった。しかし、農林水産省や生産者と連携し、酒類貿易で培った貿易実務の経験を活かして輸出が実現した。

 南山物産は、今後「ゆうべに」、「恋みのり」など他の熊本県産いちごの輸出も進める予定である。また、現地市場のニーズに対応した輸出モデルの確立や、規制・費用面の課題解決、プロモーション強化などを通じ、日本産いちごのブランド価値向上を目指す。

 南山物産は、酒類を中心に食品、工芸品など多様な日本産品の輸出を手掛ける専門商社であり、今後もフィリピンをはじめとした国際市場への挑戦を続ける。

 なお、日本産イチゴのフィリピンへの初輸出は、2024年12月15日付で解禁されてから約2カ月たった2月13日、千葉県産の「紅ほっぺ」と「天使のいちごAE(エンジェルエイト)」の2品種が輸出された。翌2月14日から三越BGC内のミツコシ・フレッシュなどマニラ首都圏内3店舗で販売され、初日でほぼ完売した。