トップラインが8日に新規上場、今年第1号、初日3.2%下落

IPOは0.31ペソ、高値0.32ペソ、安値0.28ペソ、終値0.30ペソ

2025/04/09

 セブを拠点とする石油製品販売企業であるトップライン ビジネスデベロップメント(トップライン、証券コード:TOP)が、4月8日、フィリピン証券取引所(PSE)メインボードへ新規上場した。当初計画より大幅に遅れていたトップラインのIPO・新規上場がようやく実現した。2025年最初のIPO実施・新規上場企業となる。

 トップラインの新規上場に際してのIPOは2025年3月24日~31日に実施された。IPOでの売却株数は最大で約23億6,484万株(2億1,484万株の増加オプションをフル行使の場合)、1株当たりIPO株価は0.31ペソであり、IPO規模は最大で約7億3,260万ペソという小型案件である。当初トップラインは2024年11月27日~12月3日にIPO実施、12月12日に新規上場と計画していた。この時にはIPO規模は最大で約31億6,000万ペソと想定されていたが、結局4分の1以下の規模に縮小された。

 TOPの上場初日の始値は0.30ペソとIPO株価を3.2%下回った。高値は0.32ペソ、安値は0.28ペソ、終値は0.30ペソで始値と同様IPO株価を3.2%下回った。この日の平均取引株価は0.301ペソ、出来高は3億6,280万株、売買額は約9,853万ペソであった。世界連鎖株安という厳しい市場環境下でのデビューであり軟調な展開となった。

 フィリピン証券取引所(PSE)の上場企業数は低水準であるうえ、このところのPSEの新規上場促進努力にもかかわらず伸び悩みが続いている。PSEにおける新規上場社数は、2014年7社、2015年から2017年までは各々4社、2018年は1社のみ、2019年と2020年も4社のみであった。2021年は8社、そして、2022年は10社(うち1社はIPOを経ないイントロダクション方式での上場)へと増加したが、2023年は3社にとどまった。2024年についても3社でPSEの目標6社を下回った。2025年も4月8日にようやく新規上場第1号が実現という緩慢なペースとなっている。