中央銀行、25年のインフレ率予想を2.3%へ大幅下方修正

26年予想は3.3%に下方修正、27年は3.2%(リスク調整ベース)

2025/04/11

 フィリピン中央銀行は(BSP)は、4月10日の政策金利0.25%引き下げ決定に際して、リスク調整総合インフレ率予想を修正した。

 2025年のリスク調整総合インフレ率予想は、2月13日時点の3.5%から2.3%へと大幅下方修正された。2026年予想は同じく3.7%から3.3%へと下方修正された。そして、2027年は3.2%と予想された。いずれも、政府インフレ目標(2%~4%)内におさまると予想されている。

 なお、インフレ率予想(Forecast)とインフレ目標(Target)が混同されることもあるが、両者は全く異なるものである。予想は単純な見通しであり環境が変化すればその都度変更されるものである。インフレ目標(Target)は金融政策の基本的枠組みであり、それを基準として各種政策が決定されるものであり頻繁に変更されるものではない。

 フィリピンの総合インフレ率推移(2012年基準と2018年基準との比較)
16年 17年 18年 19年 20年 21年  22年  23年  24年  25年予  26年予   27年予 
2018年基準  N.A.   N.A.  5.2% 2.4%  2.4%  3.9%  5.8%  6.0%  3.2%  2.3%    3.3%  3.2%
2012年基準 1.3% 2.9% 5.2% 2.5% 2.6% 4.5% N.A.    N.A.     N.A.     N.A.      N.A.    N.A 
インフレ目標 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4% 2~4%  2~4%  2~4%  2~4%  2~4%    2~4%   2~4%

 (出所:PSA資料などより作成、2025年以降の予想はBSPの2025年4月10日時点のリスク調整ベース予想値)