石破首相、4月27日からフィリピンとベトナムを公式訪問

比では大統領と会談、軍事情報共有協定の協議開始合意へ

2025/04/18

  4月17日付け政府通信社(PNA)報道などによると、石破茂首相は4月27日~30日の日程でベトナムおよびフィリピンを公式訪問し、安全保障分野における協力強化に向けた会談を行うとのことである。今回の訪問は、トランプ米大統領による関税措置などにより米国への不信感が高まる中、中国が東南アジア諸国との関係を強化する動きを見せていることを背景に実施される。

 ベトナムでは、トー・ラム共産党書記長やその他の政府高官と会談、ベトナムを日本の「政府安全保障支援(OSA)」の対象国とする方針を伝達、2026年3月までに、今後の協力の詳細を盛り込んだ覚書の作成を目指す。また、ハノイに設立された日越両国による共同プロジェクトである「日越大学」も視察する予定である。

 フィリピンでは、マルコス大統領との会談が予定されており、両国間の軍事情報共有協定「一般軍事情報保護協定(GSOMIA)」締結に向けた協議開始で合意することを目指す。さらに、弾薬や燃料の相互提供を可能にする「物品役務相互提供協定(ACSA)」の交渉開始についても協議する見通し。

 また石破首相は、日本のOSA枠組みの下で供与された沿岸監視レーダーシステム等を視察し日比両国の準同盟関係を強調する。さらに、第二次世界大戦後に無国籍となった残留日本人2世と面会し、日本国籍取得への支援を伝達する方針である。