訪日フィリピン人、25年3月は8%減の7万2,300人

聖週間4月の影響(昨年3月)、第1四半期5%増の21万人

2025/04/21

 日本政府観光局(JNTO)の4月16日の発表によると、2025年3月の訪日外客数(推計値)は前年同月比13.5%増の349万7,600人となり、3月として過去最高を記録した。また3月までの累計では、1,053万7,300人となり、過去最速で1,000万人を突破した。

 春の桜シーズンに入り多くの市場で訪日需要が高まったこと、東南アジアの一部の市場屋中東地域ではイスラム教の断食明け休暇に合わせて海外旅行需要が増加したことなどにより、東アジアは中国、東南アジアではインドネシア、欧米豪では米国を中心に訪日外客数が増加したことが今月の押し上げ要因となった。

 米国やカナダ等6市場で単月過去最高を更新したほか、韓国や台湾、タイなど11市場で3月として過去最高を記録した。3月に訪日外客数の多かった上位5市場は、韓国(69万1,700人)がトップとなり、前年同月比で4.3%増加した。次いで、中国本土(66万1,700人)、台湾(52万2,900人)、米国(34万2,800人)、香港(20万8,400人)。

 フィリピンに関しては、3月の訪日外客数は前年同月比8.3%減の7万2,300人であった。マニラ~新千歳間の復便や好調な経済状況を背景とする海外旅行需要の増加等があるものの、前年は3月下旬からであった聖週間休暇が今年は4月中旬からとなった影響等もあり、訪日外客数は前年同月を下回った。

 一方、年初3カ月の訪日外客数は前年同期比23.1%増の1,053万7,300人に達した。また、すべての重点市場で過去最高を記録した。上位5市場は、韓国(250万6,100人)、中国(236万4,900人)、台湾(162万3,600人)、米国(71万6,900人)、香港(64万7,600人)。フィリピンからは前年同期比5.2%増の21万1,200人で、ASEAN地域ではタイの36万1,800人に次ぐ2位だった。

 2023年3月に策定された第4次観光立国推進基本計画では3つの柱「持続可能な観光」、「消費額拡大」、「地方誘客促進」が示されるとともに、旅行消費額・地方部宿泊数等に関する新たな政府目標が掲げられているところ、JNTOはこれらの実現に向けて、市場動向を綿密に分析しながら、戦略的な訪日旅行プロモーションに取り組んでいく方針である。