25年第1四半期GDP統計、5月8日に発表予定

財務大臣やNEDA長官、年間目標下限の6%超と推定

2025/04/22

 フィリピン統計庁(PSA)は、5月8日(木)午前10時、2025年第1四半期(1月~3月)の国内総生産(GDP)など国民勘定統計を発表する予定である。

 財務省のラルフ・レクト大臣は、2025年第1四半期のGDP成長率が6%に達した可能性があるとの見通しを示した。これは前年同期の改定値5.9%を上回り、政府の年間成長目標レンジ(6~8%)の下限に合致する水準となる。

 国家経済開発庁(NEDA)のアルセニオ・バリサカン長官も「利下げとインフレ鈍化が個人消費を後押しし、6%以上の成長もあり得る」との認識を示した。インフレ率は第1四半期平均で2.2%と、中央銀行の目標レンジ(2~4%)内に収まっている。

 民間セクターからもやや楽観的な予想が出ており、RCBCのマイケル・リカファート氏が6.3%成長を予想し、強い雇用情勢やOFW送金、BPO収益、観光回復などを成長要因に挙げた。一方、ムーディーズ・アナリティクスは成長率を5.5%とやや控えめに見ており、SNS中心となった選挙支出の波及効果は限定的と分析している。

 一方、第2四半期以降は米国の関税政策が輸出と成長の重しとなる可能性がある。トランプ政権が4月9日に発表した相互関税措置で、90日間の猶予が設けられたものの、既存の10%関税は継続中。フィリピン製品に対しては17%の相互関税が課され、競争力低下が懸念されているが、5月12日に予定される中間選挙を控え、政府支出が増加する可能性があることから、第2四半期の成長率も6%前後を維持できるとの見方もある。