比三菱自動車、24年度の市場シェア19.5%と高水準

販売台数12%増の9万1,639台で2年連続過去最高記録

2025/04/24

 三菱自動車工業(三菱自動車)は、4月23日、フィリピンの2024年度の小売販売台数が前年度比12%増の9万1,639台(速報値)となり、2年連続で過去最高台数を更新したと発表した。また、ベトナムにおける販売台数も前年度に比べ44%増の4万3,065台(速報値)と、2022年度以来、2年ぶりに過去最高台数を記録した。

 フィリピンでは、新モデルであるコンパクトSUV「エクスフォース」の投入効果に加え、7人乗りクロスオーバーMPV「エクスパンダー」が好調に推移。そして、息の長い人気を誇るコンパクトセダン「ミラージュG4」および、小型トラック「L300」が販売台数を押し上げた。また、自動車市場全体が拡大する中、三菱自動車の市場シェアは19.5%と、前年度比1.0ポイント増となった。なお、三菱自動車のフィリピンにおける生産・販売拠点であるミツビシモーターズ フィリピン(MMPC、所在地:ラグナ州サンタロサ市グリーンフィールド オートモーティブパーク)である。

 三菱自動車の中村達夫 代表執行役副社長(営業担当)は、「当社はフィリピンで60年以上、ベトナムでは30年以上、両国の自動車産業と経済の発展に貢献するとともに、アセアン戦略車の投入と、ブランドロイヤリティの高い販売ディーラー網の構築を通じて、顧客からも強い信頼を得ている。今年度は、昨年フィリピンで世界初披露した『MITSUBISHI DST CONCEPT』の市販車を投入することで、アセアン市場でのプレゼンスを高めるとともに、最重要市場であるフィリピン、ベトナムでさらなる販売拡大を目指して行く」とコメントしている。

 フィリピンでの世界最初の『MITSUBISHI DST CONCEPT』発表は、MMPCが三菱自動車のグローバル戦略において重要な役割を果たしていることの反映である。これまでは、こうしたグローバルデビューはタイやインドネシアなどの主要市場で行われてきた。しかし、今年はフィリピンが三菱自動車の中心的な焦点となり、このコンセプトカーの発表がさらに重要な意味を有することになる。
 
 なお、MMPCの起源は1963年2月、そして、1964年5月にクライスラー・フィリピンとして生産を開始した。すなわち、62年の歴史を有している。特筆すべきは市場シェアの高さである。上記のように、2023年度の市場シェアは18.5%、2024年度は19.5%に達し、トヨタに続く第2位の座を強固にしている。フィリピンは三菱自動車が2桁シェアを継続的に維持している唯一の主要市場であり、他の市場のシェアを大きく引き離している。三菱自動車にとって、フィリピンは非常に重要な市場となっている。

 三菱自動車のフィリピンでの市場シェアが、他市場に比べ非常に高いのは、フィリピンでの歴史が非常に長く地道に事業基盤を強化してきたこと、モンテロ・スポーツ、パジェロ、ASX、アドベンチャー、エクスフォース、エクスパンダー、エクスパンダー クロスなど現地ニーズの高い多目的車のラインアップが豊富であることなどが挙げられる。