グリーンカーボン、レイテ州でもカーボンクレジット創出事業

水田の水管理方法変更によるメタンガスの排出削減

2025/05/15

 カーボンクレジット創出販売事業を展開するGreen Carbon(本社:東京都港区)は5月14日、「フィリピンビサヤ諸島に位置するレイテ州とJCM(2国間クレジット制度)の方法論『水田の水管理方法変更によるメタンガス排出削減』を活用したカーボンクレジット創出プロジェクトの開始のためMoUを締結した」と発表した。

 このプロジェクトは、ビサヤ諸島レイテ州の対象水田圃場にAWD(間断灌漑)を導入し、メタンガス排出量の削減を目指す。2025年1月からパイロット実証を開始しており、6月より約1,000ヘクタールの水田にてプロジェクト開始を予定している。今後3年以内にレイテ州の灌漑水田全域となる約4万ヘクタールまで規模を拡大し、今後10年間で合計約100万トンのカーボンクレジット創出を目指す。また、レイテ州を含め数年以内に、フィリピン全土の灌漑水田面積の半分強に相当する100万ヘクタールでのプロジェクト展開を目指している。

 Green Carbonは、東南アジアを中心に自然由来のカーボンクレジット創出に取り組んでおり、森林保全、水田、マングローブ植林、牛のゲップ削減、バイオ炭プロジェクトなど幅広い分野でのプロジェクトを展開している。各地域の自然資源の特性に適したカーボンクレジット創出プロジェクトの開発を行うとともに、衛星データを活用した適地選定とモニタリングにより、効率的かつ透明性の高いプロジェクト運営を実現している。

 フィリピンの農業分野における温室効果ガス(GHG)排出量は年間約5,400万トンに達している。そのうち水田からの排出量は約1,300万トン(農業由来の約25%)を占めており、排出量の削減が求められている。このような状況を背景として、Green Carbonは2023年度より、現地研究機関と連携し、AWDを活用した水田からのメタンガス排出量削減プロジェクトの開発に着手した。

 上記プロジェクトは、ビサヤス州立大学との協力のもと、メタンガス排出量の計測・解析を通してプロジェクトの有効性を検証しつつ遂行され、フィリピン政府の排出削減戦略に沿った、持続可能な農業の発展と環境負荷低減の両立を目指す。