通信大手2社、第1四半期業績は揃って低調、株価下落

グローブテレコム3%減収で実質22%減益、PLDT実質6%減益

2025/05/16

 長らくフィリピンの通信市場をほぼ独占してきたPLDT(証券コード:TEL)とグローブテレコム(グローブ、証券コード:GLO)の2025年(1月~3月)の決算発表が出揃った。競争激化、コスト増などで両社ともに低調な結果となった(両社の詳細な業績については別掲)。
 
 5月15日に発表されたPLDTの第1四半期の総収入は前年同期比(以下同様)2%増の553億ペソ。そのうち、純サービス収入は1%増の490億ペソと伸び悩んだ。一方、費用(相互接続コスト含む)は5%増の405億ペソ、これらの結果、帰属純利益は8%減の90億ペソとなった。資産売却益、資産評価損益など一時的損益等を除いた通信事業のコア利益は6%減の88億ペソにとどまった。
 
 一方、グローブは5月13日、2025年第1四半期(1~3月)の事業報告書を開示した。それらによると、収入は3%減の438億ペソ、そのうちサービス収入は3%減の399億ペソと減収であった。報告帰属純利益は2%増の69億7,800万ペソと小幅増益になったが、為替損益、資産再評価損益など一時的損益を除外したコア純利益は22%減の45億3,700万ペソ、すなわち実質22%減益だった。
 
 このような状況を受けて両社の最近の株価は軟調である。特に、実質大幅減益であったグローブの5月15日の株価終値は、この一年間の最安値である1,890ペソへと下落した。年間高値の2,472ペソからは大幅下落している。また、PLDTの終値も1,264ペソで、年間最安値の1,200ペソに接近、年間高値の1,624ペソから大きく下げている。