4月の財政収支黒字、58%増の673億ペソ

4カ月間では大幅赤字、79%増の4,115億ペソ

2025/05/28

 フィリピン財務局は527日、政府の4月の財政黒字が673億ペソとなり、昨年同月の427億ペソを58%(246億ペソ)上回ったと発表した。通常4月は納税月であり、歳入が増加する。4月の黒字額が増加したのは、歳出(公共支出)の減少率(8%)が、歳入の減少率(3%)を上回ったためである。
 
 4月の歳入は前年同月比3%減の5,221億ペソ。税収のうち、内国歳入庁(BIR)の収入は11%増の4,205億ペソ、BOC7%減の747億ペソだった。非税収のうち、財務局(BTr)の収入は77%減の145億ペソ、民営化の収益や手数料などその他収入は16%減の96億ペソ。一方、4月の歳出は8%減の4,548億ペソ。そのうち、利払い額は31%減の464億ペソ。歳出全体の10%を占めた。
 
 2025年年初4カ月では、財政赤字は4,115億ペソとなり、前年同期の赤字からさらに79%(1,816億ペソ)拡大した。歳入は前年同期比3%増の15,202億ペソ。そのうち、BIR14%増の11,109億ペソ、BOC2%増の3,061億ペソ、その他税収は2%増の125億ペソ。非税収のBTr66%減の468億ペソ、その他収入は16%減の439億ペソだった。一方、歳出は14%増の19,317億ペソで、うち利払い額は10%増の2,874億ペソ、歳出全体の15%を占めた。
 
 歳出から歳入と利払い費を除外して算出されるプライマリーバランス(基礎収支)に関しては、4月は1,137億ペソの黒字で、前年同月の1,102億ペソの黒字から3%増加した。年初4カ月では1,241億ペソの赤字となり、前年同期の306億ペソの黒字から赤字に転じた。

 財政収支動向    (単位:億ペソ、%) 
期間 4 1月-4
24 25 伸び率 24 25 伸び率
歳入  5,372  5,221  -2.82%  14,709  15,202  3.35% 
 税収  4,618  4,980  7.84%  12,821  14,295  11.49% 
   内国歳入庁  3,785  4,205  11.10%  9,703  11,109  14.50% 
   関税局  807  747  -7.48%  2,996  3,061  2.16% 
   その他  25  28  9.34%  123  125  1.83% 
 非税収  754  241  -68.08%  1,888  907  -51.94% 
   財務局  640  145  -77.42%  1,363  468  -65.67% 
   その他  114  96  -15.64%  525  439  -16.27% 
歳出  4,945  4,548  -8.03%  17,009  19,317  13.57% 
  利払い  675  464  -31.19%  2,605  2,874  10.35% 
 その他  4,270  4,083  -4.37%  14,404  16,443  14.16% 
財政収支  427  673  57.51%  -2,299  -4,115  赤字79%増 
プライマリーバランス  1,102  1,137  3.19%  306  -1,241  赤字転落 
(出所:フィリピン財務局資料より作成)

 過去のフィリピン財政赤字と対GDP比率推移  (単位:億ペソ) 
項目 年間実績推移
16 17 18 19 20 21 22 23 24
財政赤字 3,534 3,506 5,583 6,602 13,714 16,701 16,141 15,121 15,064
GDP比 2.3% 2.1% 3.1% 3.4% 7.6% 8.6% 7.3% 6.2% 5.7%
(出所:フィリピン財務局資料より作成)