比ローソン着実に拡大、5月末213店でタイを上回る

年間で52店増、唯一の日本資本コンビニとして存在感

2025/06/11

 フィリピンで唯一の日本資本によるコンビニエンスストアチェーンとなったローソン フィリピンの店舗数が、後発ながら着実に増加してきている。
 
 比ローソンの店舗数は、表1、表2のように推移している。新型コロナパンデミック禍の2020年と2021年はやや伸び悩んだが、2022年以降は増加ピッチが高まっている。2021年末の68店から2022年末100店、2023年末136店と着実に増加している。202412月末には201店に達し、短期的目標の200店に到達した。20255月末は213店で、前年同月末の161店から52店、率にして32%増加した。年初からは12店増加している。
 
 株式会社ローソンは、当初、現地の有力小売企業ピュアゴールド プライスクラブ(ピュアゴールド、証券コード:PGOLD)との合弁でフィリピンでのコンビニ事業を開始した。両社は、20145月にPGローソンを設立、出資比率はピュアゴールド70%、ローソン(ローソン アジア・パシフィック)30%となっていた。そして、フィリピンのローソン1号店を、2015330日、マニラ市サンタアナ・フランシスコ通りオープンした。その後、ピュアゴールドは、20184月、PGローソン株式70%をローソン側に売却した。ローソンの比コンビニ事業の保有比率は100%に高まり、社名もローソン フィリピン(比ローソン)へと変更されたという経緯がある。
 
 なお、業界首位のフィリピン セブン-イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーンストア(ラブアン)ホールディングスが55.322%(2024年末)を所有するフィリピン セブン社(証券コード:SEVN)によって運営されている。すなわち、現地資本と台湾資本による合弁企業である。ミニストップ フィリピン(現アンクルジョン)は、株式会社ミニストップが、20222月、保有株式40%全てをロビンソンズ リテール ホールディングス(証券コード:RRHI)グループに売却、資本撤退している。現在、RRHIグループが100%保有、ブランド名をアンクルジョンへと変更した。フィリピンファミリーマートも2018年にミンダナオ島拠点の石油製品販売大手フェニックス ペトロリアム フィリピン(証券コード:PNX、本社:ダバオ市)によって、完全買収された。

 1.ローソン フィリピンの最近の店舗数推移(月末値)
24 25
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5月
店舗数 141 144 149 155 161 169 174 178 184 187 194 201 200 200 209 211 213
(出所:ローソンの月次報告書から作成)

 2.ローソン フィリピンの店舗数推移(年末値)
14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 255月
店舗数 0 16 29 31 38 60 64 68 100 136 201 213
(出所:ローソンの月次報告書から作成)