比の男女平等度は世界20位、アジアでは引き続き断トツ

前年から5ランク上昇、中・高教育機会平等度で世界首位

2025/06/13

 スイスの経済研究機関「世界経済フォーラム(WEF)」は、612日、世界各国の政治、社会、経済面での男女格差を総合的に評価した「世界男女格差報告書(ジェンダーギャップレポート)2025年版」を発表、そのなかで、男女平等度を指数化、ランキングにしている。
 
 男女平等度ランキングは、1.経済活動への参加・機会、2.教育機会、3.健康・寿命、4.政治参加・関与という4大分野(各分野にはさらに細分化された調査項目がある)で男女平等度を分析、順位付けをおこなっている。0が完全不平等、1が完全平等を示し、数値が小さいほどジェンダーギャップが大きい。19回目となる2025年の調査対象は148カ国・地域(2024年は146カ国・地域)であった。

 2024年世界男女平等度(ジェンダー較差が少ない)トップ10は、1位アイスランド(0.926)2位フィンランド、3位ノルウェー、4位英国、5位ニュージーランド、6位スウェーデン、7位モルドバ、8位ナミビア、9位ドイツ、10位アイルランド。最下位(148)はパキスタン(0.567)147位はスーダン、146位はチャド。米国は42位、インドは131位であった。

 東アジア諸国は、フィリピン20(0.781)、シンガポール47位、モンゴル65位、タイ66位、ベトナム74位、東ティモール86位、ラオス96位、インドネシア97位、韓国101位、中国103位、カンボジア106位、ブルネイ107位、マレーシア108位、日本118(0.666)とランクされている。日本は前年と同順位、依然東アジアで最下位であった。女性の国会議員数が減少したこと、女性管理職の比率が低いこと、女性首相を出していないこともあって、主要先進国の中でも引き続き最下位だった。
 
 フィリピンは上記のように20位で前年(25/146カ国・地域)から5ランク上昇、依然アジアでは断トツであった。ちなみに、2006年~2008年が6位、2009年と2010年が9位、2011年と2012年が8位、2013年が5位、2014年が9位、2015年と2016年が7位、2017年が10位、2018年が8位、2019年が16位、202016位、202117位、202219位、202316位、202425位、そして202520位と推移している。

 フィリピンは2019年にトップ10から転落。そして、2024年はトップ20からも転落したが、2025年はトップ20に復帰した。2025年のフィリピンの4大分野別指数(サブ指数)は、経済活動への参加・機会13(前年20)、教育機会87(前年1)、健康・寿命85(前年86)、政治参加・関与30(前年34)

 教育機会平等度では、前年の1位から87位へと大幅低下した。その細分化項目のうち識字率、中等教育入学率、高等教育入学率ともに前年に続き1位であったが、初等教育入学率だけが前年の1位から113位へと急悪化した。2025年の初等教育入学率は女性88.34%、男性90.63%で女性が2.29%ポイント低くなっている。前年は女性89.51%、男性91.22%で女性が1.71%ポイント低かった。これだけの差で1位から113位への低下は理解に苦しむが、初等教育以外は世界1位であることは注目に値する。