日比、南シナ海で2回目の二国間海上協力訓練

海上自衛隊、護衛艦「たかなみ」や「シーホーク」ヘリ派遣

2025/06/15

 海上自衛隊は、「自由で開かれたインド太平洋」を支える地域及び国際的協力を強化する共同のコミットメントを示すに当たり、日比2カ国による2回目の海上協同活動(MDA)として、614日にフィリピン海軍と共同訓練を実施した。

 フィリピン国軍(AFP)広報官フランセル・マーガレット・パディリャ大佐によると、今回の訓練は、日本との新たに批准された相互アクセス協定「日・フィリピン部隊間協力円滑化協定(RAA)」に基づく防衛協力の重要な進展を示すものである。

 共同訓練は、14日午前752分から午後32分まで、ザンバレス州沖から西ミンドロ州西北西沖までの排他的経済水域(EEZ)内で行われた。フィリピン側からは、新たに就役したミサイルフリゲート艦「BRPミゲル・マルバル(FFG-06)」と対潜ヘリ「AW-159 ワイルドキャット」が投入されたほか、空軍のC-208情報・監視・偵察機(ISR)や捜索救難部隊も参加した。一方、日本側は護衛艦「たかなみ」とSH-60K「シーホーク」ヘリコプターを派遣。

 双方は通信確認訓練、対潜訓練、クロスデッキ(艦間人員移乗)、分隊戦術機動訓練、航海士訓練、写真撮影訓練などを実施し、連携能力を強化した。AFPのパディリャ大佐は、「今回の訓練は、RAAが具体的に機能していることを示す成果であり、比日間の防衛協力の深化を象徴している」と述べた。

 訓練中、中国人民解放軍海軍の「ルーヤンIII級」および「ジャンカイII級」の艦船2隻が周辺海域に展開していたが、訓練への干渉はなかった。パディリャ大佐は「接近や事故の報告はなく、日比双方は専門的かつ安全な運用環境を維持し、動的な海上環境下での効果的な協調行動能力を示した」と説明した。

 今回のMCAは、航行および上空飛行の自由の尊重、ならびに国連海洋法条約(UNCLOS)に基づく国際法上の海洋権益の擁護を目的とするものである。また、フィリピンの海洋領域における監視・防衛・即応能力の向上に寄与し、主権的権利の確保とルールに基づく国際秩序の維持に資する活動と位置づけられている。なお、初回の二国間MCA202482日に実施された。