オンライン賭博規制強化の動きでデジプラスの株価大幅下落続く

7月3日14%下落、7月4日は24%続落、6月央の最高値から半値以下に

2025/07/06

 急成長を続けているオンラインゲーミング企業であるデジプラス インタラクティブ(デジプラス、証券コード:PLUS)の株価が、6月央までの急騰から一変、7月第1週は大幅下落した。

 特に、73日には13.9%74日にはさらに23.9%下落し29.50ペソで引けた。611日に記録した過去最高値である65ペソ(終値ベース)からは54.7%下落、半値以下に落ち込んだ。6月末の52ペソからも43.3%下落している。このほか、マニラ湾岸の大型カジノリゾート「ソレアリゾート&カジノ」(ソレア)などを運営するブルームベリー リゾーツ(ブルームベリー、証券コード:BLOOM)の株価も、74日に8.7%急落し4.20ペソ、613日の6.18ペソから32%下落した。

 これらの株価急反落は、630日以降に上院および下院において、オンラインギャンブル規制法案が提出されたことなどによる。規制法案には、オンラインギャンブルでの電子マネー(eウォレット)の使用禁止も盛り込まれている。フィリピン中央銀行(BSP)73日、オンラインギャンブルによる消費者リスクに対応するためのオンラインギャンブルアクセス規制強化案を、電子マネー発行企業や金融機関などに送付した。
 
 デジプラスの株価は、20228月ごろまでは1ペソ台と低位で低迷していたが、23年頃から動意づき、24年、25年前半に急騰、上記のとおり、24611日には終値ベースでの過去最高値65ペソ(ザラ場最高値は611日の65.30ペソ)まで急騰したという経緯がある。ブルームの株価も、2547日の年初来最安値である2.60ペソから、610日には一時6.53ペソまで急騰したという経緯がある。これは、ブルームベリーが254月末ごろにオンラインゲーミング事業への参入方針を表明したことによる。

 なお、デジプラスの2024年の収入は前年比(以下同様)176%(2.8)752億ペソ、純利益は207%(3.1)126億ペソに達した。主力のビンゴプラットフォーム「BingoPlus」やスポーツブック「ArenaPlus」などのデジタルゲームポートフォリオの継続的な拡大や、新しいライブストリーミングゲームの立ち上げの成功などで大幅な増収増益決算となった。2023年の収入も206%(3)273億ペソ、純利益は496%(6)41億ペソへと急増しており、連続での三桁増収増益であった。