オンラインゲーミング企業デジプラス、60億ペソの自社株買いへ

規制強化の動きによる株価急落に対応、7日の株価は14.6%上昇

2025/07/08

 オンラインゲーミング企業であるデジプラス インタラクティブ(デジプラス、証券コード:PLUS)は、7月7日、最大60億ペソ相当の普通株式を対象とする自社株買いプログラムを実施すると発表した。

 この自社株買いプログラムは、今後12カ月間を対象期間としているが、取締役会の承認を得ることで更新可能である。買付け資金はすべて社内のキャッシュフローによって賄われる予定。デジプラスのエウセビオ・タンコ会長は、「この自社株買いプログラムは、デジプラスの長期的な成長性と確固たるファンダメンタルズに対する強い自信の表れである」と述べ、「資本を戦略的に活用することで、株主に持続的なリターンを提供しながら、成長・技術革新・市場拡大に向けた体制を強化していく」と強調した。

 急成長を続けているデジプラスの株価は、6月央までの急騰から一変、7月第1週は大幅下落した。特に、73日には13.9%74日にはさらに23.9%下落し29.50ペソで引けた。611日に記録した過去最高値である65ペソ(終値ベース)からは54.7%下落、半値以下に落ち込んだ。6月末の52ペソからも43.3%下落している。

 この株価急落は、議会でオンライン賭博規制強化案が提出され、中央銀行や財務省なども規制強化意向を表明したことによる。デジプラスの株価は、20228月ごろまでは1ペソ台と低位で低迷していたが、23年頃から動意づき、24年、25年前半に急騰、上記のとおり、24611日には終値ベースでの過去最高値65ペソまで急騰した。この急騰の反動という要素もある。自社株買いプログラムが発表された77日の株価は反発、前日比14.6%上昇、33.80ペソで引けた。

 なお、デジプラスの2024年の収入は前年比(以下同様)176%(2.8)752億ペソ、純利益は207%(3.1)126億ペソに達した。主力のビンゴプラットフォーム「BingoPlus」やスポーツブック「ArenaPlus」などのデジタルゲームポートフォリオの継続的な拡大や、新しいライブストリーミングゲームの立ち上げの成功などで大幅な増収増益決算となった。2023年の収入も206%(3)273億ペソ、純利益は496%(6)41億ペソへと急増しており、連続での三桁増収増益であった。