7月12日、南シナ海に関する比中仲裁判断発出9周年

岩屋外務大臣、中国に仲裁判断遵守求める談話発表

2025/07/13

 712日、南シナ海に関する比中仲裁判断の発出から9年が経過した。日本外務省によると、岩屋毅外務大臣は、712日、以下のようのような談話を発表した。
 
 『国連海洋法条約の規定に基づき、仲裁判断は最終的であり、紛争当事国であるフィリピンと中国を法的に拘束するものである。日本は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化を重視しており、一貫して比中仲裁判断に従い、南シナ海における紛争の平和的解決にコミットメントを示しているフィリピン政府の立場を高く評価している。

 南シナ海では、現状を力や威圧により変更しようとする一方的な試みが継続・強化されている。こうした試みは地域の平和と安定を脅かすものであり、日本は強く反対する。また、この機会に、フィリピンを始めとする関係国の船舶や航空機に対する危険な行動を含め、航行・上空飛行の自由を妨害し、地域の緊張を高める行為が繰り返されていることに対し、改めて深刻な懸念を表明する。

 仲裁判断を受け入れないという中国の主張は、国連海洋法条約を始めとする国際法に従った紛争の平和的解決の原則に反しており、国際社会における法の支配を損なうものである。日本は、南シナ海における中国の拡張的な海洋権益に関する主張には法的根拠がないことを再確認し、国連海洋法条約の締約国である紛争当事国が、仲裁判断を遵守し、南シナ海における紛争の平和的解決につながることを強く期待する。

 南シナ海をめぐる問題は、地域の平和と安定に直結する国際社会の正当な関心事項であり、日本を始めとする南シナ海を利用するステークホルダーの正当な権利及び利益が害されてはならない。日本は、引き続き、ASEAN諸国や米国を始めとする国際社会と連携しながら、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持及び強化していく。』