マルコス大統領が20日に米国へ出発、貿易・防衛協議予定

トランプ氏と初の対面会談、関税軽減交渉やFTA交渉意向表明へ

2025/07/20

 マルコス大統領は720日、米国ワシントンD.C.への公式訪問のため出発した。訪問期間は3日間で、22日に予定されているトランプ米大統領との首脳会談では、二国間貿易協定や防衛協力について協議する見通し。

 出発に先立ち、首都圏パサイ市のビリャモール空軍基地で行われた演説で、マルコス大統領は「今回の訪問は、現米政権下でASEAN加盟国の首脳として初の公式訪問であり、フィリピンの国益を推進し、米国との同盟関係を強化する上で極めて重要な会談となる」と述べた。

 今回の訪問には、米国が提案するフィリピン製品への20%関税の影響緩和が主目的の一つとされており、大統領は「この非常に厳しい関税の影響を軽減できるよう、米側と交渉を行う」と強調した。また、大統領は、フィリピンと米国の経済関係の強化、特に貿易と投資の拡大に意欲を示しており、「米国との将来志向かつ相互利益に基づく二国間貿易協定の交渉を開始する用意があることを、トランプ大統領および関係閣僚に伝える」と述べた。

 首脳会談の準備のため、すでにフィリピン政府の防衛・経済チームの一部は先行して米国入りしている。滞在中には、米国の財界関係者との会合も予定されており、フィリピンへの投資促進や経済成長の機会について直接訴える方針だ。

 マルコス大統領は「比米同盟は、アジア太平洋地域および世界における平和の礎であり、発展の触媒でもある」と述べ、米国との同盟関係への強いコミットメントを改めて表明した。

 なお、大統領の訪米中は、ルーカス・ベルサミン大統領府長官、ヘスス・クリスピン・レムリヤ司法長官、コンラド・エストレーリャ農地改革大臣が臨時に政務を代行する。