靴小売のエービーシー・マート、フィリピン進出

年内にBGC旗艦店と三越モール店、26年度5店予定

2025/07/28

 靴小売り大手のエービーシー・マート(ABCマート、本社:東京都港区麻布台)がアジア進出を加速しつつある。728日にはフィリピンに進出すると発表した。海外では5カ国目、東南アジアではベトナムに次いで2カ国目の進出となる。

 ABCマートグループは、20256月末現在、靴小売店『ABC-MART』を中心に国内に1,106店、海外に395(韓国320店、台湾62店、米国8店、ベトナム5)、計1,501店を展開している。フィリピン進出を決めた理由は、フィリピンは東南アジアの中で著しい成長が見込まれる巨大な消費市場であること、若年層が多いこと、旺盛な消費意欲があること。グローバルブランドのシューズを1箇所に集めたマルチブランドのショップ形態は、若年層を中心に購買意欲が高いフィリピンにおいても商機があると考えている。

 フィリピン進出においては、現地のスポーツマーケットを熟知し各デベロッパーとの関係性も強いSONAK社と合弁会社を設立、シューズ小売り事業を展開する。これにより、現地市場を理解しながら、ABCマートの強みである販売力やウィメンズを中心とした商品ラインナップをローカライズして展開することが可能になる。

 20259月下旬に、マニラ首都圏タギグ市ボニファシオ・グローバルシティ(BGC)の中心に第1号店として旗艦店『ABC-MART GRANDSTAGE(BHS)(766平米)を、大型路面店としてオープンする。第2号店は202511月に、同じくBGCのショッピングモール「三越BGC」内に『ABC-MART(352平米)をオープンする予定である。1号店とは約1kmと近い立地となるが、異なる店舗業態で、ファミリー層をターゲットとすることで差別化を図る。

 当面のフィリピン出店についてはマニラ首都圏を中心となるが、セブやダバオでの展開も検討していく。2026年度は5店舗の出店を計画している。そして、店舗出店をしていくことで、海外での店舗運営のノウハウやファッション嗜好の相違を学び、タイヤインドネシアなどアジア地域での更なる展開を目指す。