IPS、新たな国際海底ケーブルに190億円

日本、フィリピン、シンガポールを結ぶ大事業

2025/07/31

 日比等で先端技術活用の通信事業などを展開するアイ・ピー・エス(IPS、本社:東京都中央区)は、730日、「新たな国際海底ケーブルへの設備投資(固定資産の取得)について取締役会の決議を行い、日本、フィリピン、シンガポールを結ぶ新たな国際海底ケーブルのコンソーシアム形式による共同建設に参画することを決定した」と発表した。

 新たな国際海底ケーブルにおけるIPS所有分は、トランク(幹線)3ファイバーペア(FP)と一部のブランチ(支線)におけるFPとなる。取得の主な目的は、これからアジアにおいて、より大きく、幅広い通信事業の展開を目指すIPSにとって、フィリピン、香港、シンガポールを結び、IPSが既に一部使用権を所有するC2C回線に加わる、新たなベース資産とすることである。

 IPSおよびIPSの海外子会社がハンズオンで関与する同国際海底ケーブルの対象地域においては、外部資金や顧客からの資金に加えて、日本などの有する最先端で高品質な製品、サービス、技術等が有効活用され、利益が好循環するエコシステムが進展する。

 同国際海底ケーブルの建設により、フィリピンおよび日本におけるデータハブ化やAIインフラの整備、経済安全保障の強化への貢献も期待される。関係するグローバルテック企業や大手通信事業者、ケーブルテレビ事業者、ISP事業者、法人・個人顧客、フィリピンの政府機関・自治体にとっても大きなメリットとなることが見込まれる。

 同国際海底ケーブル商用利用開始は2028年3月と予定されている。IPSの取得額は、13,100万米ドル(190億円、1米ドル=145円で換算)。なお、国際海底ケーブル全体への総投資額については、コンソーシアムとの守秘義務契約により、公表を控えるとのことである。

 このプロジェクトは、IPSにとって過去最大規模の設備投資となる。社会的価値や経済安全保障への貢献とともに、アジアにおける事業基盤を飛躍的に強化し、持続的な成長と企業価値の向上を実現する極めて戦略的な投資である。これにより、IPSは新たな成長段階に向けた重要な一歩を踏み出すとのことである。