7カ月間の株価4.2%下落、コロナ前を大幅に下回る展開続く
国内外の懸念材料や買い材料不足響く、外国人420億ペソ売り越し
2025/08/04
フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2025年7月最終取引日(31日)の終値は6,252.73ポイント、6月末から1.76%下落した。7月の終値ベースでの最高値は14日の6,525.04ポイント、最安値は31日の6,252.73ポイントであった。
7月も上値の重い展開が続いたが、特に月末にかけて売られた。米国の政策金利据え置きが決定されたこと、米国の19%という対フィリピン関税措置発動が迫ってきたこと、企業業績減速懸念などを背景に6,300台を大きく割り込んだ。サラ・ドゥテルテ副大統領に対する弾劾訴追手続きは違憲との判決が下されたことにともなうマルコス政権基盤弱体化観測やそれに伴う政局混乱懸念再燃、更には長引く悪天候の影響懸念により下落ピッチが高まった。
7月末の終値は、2020年2月のフィリピンでのコロナパンデミック発生時の7,000台、2019年終値の7,815.26ポイントを大幅に下回る水準であり、いまだにコロナパンデミック前の水準に戻らない状況が続いている。
2025年年初7カ月(1~7月)では、PSEiは4.23%の下落となった。7カ月間の終値ベースでの最高値は1月6日の6,625.17ポイント、最安値は4月7日の5,822.85ポイントだった。マルコス陣営とドゥテルテ陣営との対立激化に伴う政局混乱懸念、南シナ海での中国からの圧力、中東などでの緊張の高まり、米国トランプ政策への懸念や米利下げ遅延、フィリピンのGDP伸び悩みや新規の買い材料不足、外国人売り越しなどが響いた。
7カ月間の1日当たり平均売買額は約69億7,800万ペソ、外国人の売買額シェアは48%。外国人の売り越し額は約420億ペソに達した。外国人の買い越し日は57営業日(25年1月は4営業日、2月は6営業日、3月は14営業日、4月は7営業日、5月は8営業日、6月は7営業日、7月は11営業日)であった。
7カ月間の大分類セクター別指数の動きは、鉱業・石油株(資源株、+12.50%)、サービス産業株(+5.43%)、金融株(+1.51%)が上昇し、持株会社株(-6.04%)、工業株(-3.28%)、不動産株(-1.09%)は下落した。資源株は主に金市況の上昇が寄与した。一方、金利敏感セクターの代表格である不動産株は、2024年まで年間ベースで5年連続で下落を続けてきたが、米国の利下げの遅れなどにより今7カ月間でも下落した。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
(出所:PSE資料より作成)
PSEセクター別株価指数上昇率
(出所:PSE資料より作成)
7月も上値の重い展開が続いたが、特に月末にかけて売られた。米国の政策金利据え置きが決定されたこと、米国の19%という対フィリピン関税措置発動が迫ってきたこと、企業業績減速懸念などを背景に6,300台を大きく割り込んだ。サラ・ドゥテルテ副大統領に対する弾劾訴追手続きは違憲との判決が下されたことにともなうマルコス政権基盤弱体化観測やそれに伴う政局混乱懸念再燃、更には長引く悪天候の影響懸念により下落ピッチが高まった。
7月末の終値は、2020年2月のフィリピンでのコロナパンデミック発生時の7,000台、2019年終値の7,815.26ポイントを大幅に下回る水準であり、いまだにコロナパンデミック前の水準に戻らない状況が続いている。
2025年年初7カ月(1~7月)では、PSEiは4.23%の下落となった。7カ月間の終値ベースでの最高値は1月6日の6,625.17ポイント、最安値は4月7日の5,822.85ポイントだった。マルコス陣営とドゥテルテ陣営との対立激化に伴う政局混乱懸念、南シナ海での中国からの圧力、中東などでの緊張の高まり、米国トランプ政策への懸念や米利下げ遅延、フィリピンのGDP伸び悩みや新規の買い材料不足、外国人売り越しなどが響いた。
7カ月間の1日当たり平均売買額は約69億7,800万ペソ、外国人の売買額シェアは48%。外国人の売り越し額は約420億ペソに達した。外国人の買い越し日は57営業日(25年1月は4営業日、2月は6営業日、3月は14営業日、4月は7営業日、5月は8営業日、6月は7営業日、7月は11営業日)であった。
7カ月間の大分類セクター別指数の動きは、鉱業・石油株(資源株、+12.50%)、サービス産業株(+5.43%)、金融株(+1.51%)が上昇し、持株会社株(-6.04%)、工業株(-3.28%)、不動産株(-1.09%)は下落した。資源株は主に金市況の上昇が寄与した。一方、金利敏感セクターの代表格である不動産株は、2024年まで年間ベースで5年連続で下落を続けてきたが、米国の利下げの遅れなどにより今7カ月間でも下落した。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年 | 8,558.42ポイント | 25.11% |
2018年 | 7,466.02ポイント | -12.76% |
2019年 | 7,815.26ポイント | 4.68% |
2020年 | 7,139.71ポイント | -8.64% |
2021年 | 7,122.63ポイント | -0.24% |
2022年 | 6,566.39ポイント | -7.81% |
2023年 | 6,450.04ポイント | -1.77% |
2024年 | 6,528.79ポイント | 1.22% |
2025年 1月末 | 5,862.59ポイント | -10.20% |
2月末 | 5,997.97ポイント | 2.31% |
3月末 | 6,180.72ポイント | 3.05% |
4月末 | 6,354.99ポイント | 2.82% |
5月末 | 6,341.53ポイント | -0.22% |
6月末 | 6,364.94ポイント | 0.37% |
7月末 | 6,252.73ポイント | -1.76% |
2025年 1-7月 | - | -4.23% |
PSEセクター別株価指数上昇率
項目 | 21年 | 22年 | 23年 | 24年 | 25年7カ月間 | 25年7月末指数 |
PSE指数 | -0.24% | -7.81% | -1.77% | 1.22% | -4.23% | 6,252.73 |
全株指数 | -10.64% | -9.33% | -1.08% | 9.46% | -0.31% | 3,736.91 |
金融株指数 | 10.95% | 2.42% | 5.71% | 24.08% | 1.51% | 2,190.06 |
工業株指数 | 10.76% | -10.12% | -2.94% | 2.56% | -3.28% | 9,002.71 |
持株会社株指数 | -7.44% | -5.49% | -5.09% | -7.63% | -6.04% | 5,299.36 |
不動産株指数 | -12.14% | -9.04% | -2.52% | -16.73% | -1.09% | 2,351.30 |
サービス業株指数 | 31.19% | -17.73% | -1.79% | 29.70% | 5.43% | 2,194.68 |
鉱業・石油株指数 | 0.77% | 12.57% | -7.48% | -21.71% | 12.50% | 8,808.23 |