上場企業数が減少、7月末282社でピークの22年末比4社減

7カ月間で新規上場1社のみ、上場廃止2社、上場廃止決議1社

2025/08/04

 フィリピン証券取引所(PSE)の上場企業数は低水準であり、このところのPSEの新規上場促進努力にもかかわらず伸び悩みが続いている。少ない新規上場企業数が、上場廃止企業数に相殺される状況が続いており、結果として、上場企業数が増えていない。20257月末の上場企業数は282社であった。

 20257カ月間の新規上場企業数1社のみ。セブを拠点とする石油製品販売企業であるトップライン ビジネスデベロップメント(トップライン)324日~31日にIPO(新規公募)を実施、4月8日にPSEに新規上場した。すなわち、2025年新規上場第1号は第2四半期にようやく実現、しかもそのIPO規模は約7億ペソという小型案件であった。現時点ではそのほかのIPO・新規上場の具体的な日程等は発表されていない。717日に予定されていたマイニラッド ウォーター サービス(マイニラッド)IPO・新規上場計画も10月に延期と発表されただけである。

 一方、78日には、シンガポールのケッペルの現地法人である持株会社ケッペル フィリピン ホールディングスが自主的上場廃止となった。また、PSEは、上場規則違反を理由に、ヘルスケア企業フィラブ ホールディングス(フィラブ、証券コードDNA)を、711日付で強制的に上場廃止とした。すなわち、7月に2社が上場廃止となった。年初からの上場廃止企業数も2社である。さらに住宅開発企業である8990ホールディングス(証券コード:HOUSE)も、フィリピン証券取引所(PSE)から自主的上場廃止する意向であり、716日に開催された臨時取締役会において、PSEからの自主上場廃止を申請することを決議した。

 2023年末の上場企業数は283社。今年7カ月間の新規上場社数が1社、上場廃止が2社であったことから、7月末の上場企業数は282社、前年末比1社の純減となった。ピークの2022年末からは4社純減。7月末282社の業種別内訳は金融30社、工業74社、持株会社33社、不動産47社、サービス64社、鉱業・石油(資源開発)23社、中小企業(SME)ボード企業10社、上場投信(ETF)1社。

 フィリピン証券取引所(PSE)上場企業数などの推移
2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年7月
新規上場企業数 4 4 8 10 3 3 1
上場廃止企業数 2 1 3 0 6 3 2
年末上場企業数 268 271 276 286 283 283 282
(出所:PSE資料などより作成)