比セブン-イレブン、上半期総売上6%増の485億ペソ

純利益18億ペソ、4,268店で断トツ、26年に5千店目標

2025/08/12

 フィリピンのコンビニエンスストア(コンビニ)首位のフィリピン セブン-イレブン(比セブン-イレブン)は、台湾系のプレジデント・チェーンストア(ラブアン)ホールディングスが56%(20256月末現在)を保有するフィリピン セブン社(証券コード:SEVN)によって運営されている。
 
 SEVN2025年上半期(1月~6)事業報告書によると、比セブン-イレブンの20256月末の店舗数は4,268店、2024年末の4,130店から138店、率にして3.3%の純増となった。今上半期に177店をオープン、39店を閉鎖した。1年前の20246月末の3,926店からは341店、率にして8.7%の純増である。そして、コンビニ業界断トツの店舗数となっている。
 
 20256月末の4,268店舗の地域別内訳は、マニラ首都圏1,125店舗、首都圏以外のルソン地域1,953店舗、セブを中心とするビサヤ地域663店舗、ダバオを中心とするミンダナオ地域527店。全体では自営店が2,262(53%)、フランチャイズ店が2,006(4%)となっている。中期目標として、2026年末までに5,000店到達を目指している。
 
 SEVN2025年上半期のシステムワイド総売上高(SWS)は前年同期比(以下同様)5.6%増の4846,560万ペソに達した。既存店売上高は0.5%減少したが、新店効果などで営業収入は7.0%増の4707,206万ペソとなった。営業利益は8.2%増の27億7,050万ペソ、純利益は0.7%増の177,680万ペソだった。小幅増益にとどまったが、第1四半期の6.0%減益から回復した。今上半期の設備投資額は195,000万ペソで、主に新規出店費用に充当された。
 
 SEVN2024年まで3年連続で過去最高益を更新してきた。2025年はその反動という要素もあって、上半期は小幅増益にとどまった。悪天候の影響もあって新規出店数も177(純増ベースでは138)にとどまったが、下半期には200店以上の出店を目指す。第3四半期にはビサヤとミンダナオに大規模配送センターが完工予定である。ビサヤとミンダナオでの更なる収益拡大などにより、4年連続での過去最高益更新を目指す。

 1.フィリピン地域別のセブン-イレブン店舗数推移(単位:百万ペソ)
場所 24年末 25年上期純増数 25年上期
マニラ首都圏 1,121 4 1,125
ルソン地方(首都圏除く) 1,900 53 1,953
ビサヤ地方 622 41 663
ミンダナオ地方 487 40 527
合計 4,130 138 4,268
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)

 2.フィリピンセブン-イレブン既存店の増収率の推移
/四半期 Q1 Q2 Q3 Q4 年間
2025 -1.2% -0.5% - - -
2024 +8.7% +7.4% +2.7% -2.3% +3.2%
2023 +23.3% +11.1% +13.0% +9.5% +13.0%
2022 +16.1% +39.2% +35.2% 26.6% +28.8%
2021 -20.1% -5.1% +3.4% +8.5% -4.6%
2020 +2.5% -25.5% -25.2% -23.7% -18.4%
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)

 表3.フィリピンセブン-イレブン店舗数(年末値)とSEVN純利益(単位:百万ペソ) 
時期 19年 20年 21年 22年 23年 24年 25年上期
店舗数 2,864 2,978 3,073 3,393 3,768 4,130 4,268
純利益 1,445 -420 -461 2,057 3,483 3,811 1,777
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)