ローソン フィリピン順調に拡大、7月末215店に

1年間で41店増加、後発だが唯一の日本資本コンビニ

2025/08/13

 フィリピンで唯一の日本資本によるコンビニエンスストアチェーンとなったローソン フィリピンの店舗数が、後発ながら着実に増加してきている。
 
 比ローソンの店舗数は、表1、表2のように推移している。新型コロナパンデミック禍の2020年と2021年はやや伸び悩んだが、2022年以降は増加ピッチが高まっている。2021年末の68店から2022年末100店、2023年末136店と着実に増加している。202412月末には201店に達し、短期的目標の200店に到達した。20257月末は215店で、前年同月末の174店から41店、率にして24%増加した。年初からは14店増加している。そして、3カ月連続でタイの店舗数(5月末210店、6月末212店、7月末210)を上回った。
 
 株式会社ローソンは、当初、現地の有力小売企業ピュアゴールド プライスクラブ(ピュアゴールド、証券コード:PGOLD)との合弁でフィリピンでのコンビニ事業を開始した。両社は、20145月にPGローソンを設立、出資比率はピュアゴールド70%、ローソン(ローソン アジア・パシフィック)30%となっていた。そして、フィリピンのローソン1号店を、2015330日、マニラ市サンタアナ・フランシスコ通りオープンした。その後、ピュアゴールドは、20184月、PGローソン株式70%をローソン側に売却した。ローソンの比コンビニ事業の保有比率は100%に高まり、社名もローソン フィリピン(比ローソン)へと変更されたという経緯がある。
 
 なお、業界首位のフィリピン セブン-イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーンストア(ラブアン)ホールディングスが56%(20256月末)を所有するフィリピン セブン社(証券コード:SEVN)によって運営されている。すなわち、現地資本と台湾資本による合弁企業である。ミニストップ フィリピン(現アンクルジョン)は、株式会社ミニストップが、20222月、保有株式40%全てをロビンソンズ リテール ホールディングス(証券コード:RRHI)グループに売却、資本撤退している。現在、RRHIグループが100%保有、ブランド名をアンクルジョンへと変更した。フィリピンファミリーマートも2018年にミンダナオ島拠点の石油製品販売大手フェニックス ペトロリアム フィリピン(証券コード:PNX、本社:ダバオ市)によって、完全買収された。

 表1.ローソン フィリピンの最近の店舗数推移(月末値)
24年 25年
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月  6月  7月
店舗数 155 161 169 174 178 184 187 194 201 200 200 209  211 213  214   215
(出所:ローソンの月次報告書から作成)

 
表2.ローソン フィリピンの店舗数推移(年末値)
14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 257月
店舗数 0 16 29 31 38 60 64 68 100 136 201 215
(出所:ローソンの月次報告書から作成)