JICA、比の信用リスクデータベース構築を継続支援

22日に中央銀行がCRDウエブ版導入、融資審査迅速化へ

2025/08/25

 フィリピン中央銀行(BSP)は、822日、中小企業(SME)の信用スコアやデフォルト確率の算定を容易にする新たなオンライン・スコアリングシステム「Credit Risk Database Philippines Web-based Scoring(CRDウエブ版)システム」を導入したと発表した。

 このシステムは、BSPが日本国際協力機構(JICA)と協力して開発したもので、金融機関がSMEの信用力を迅速かつ効率的に評価できるよう設計されている。BSPは「プラットフォームは、参加金融機関から提供される匿名化された財務・非財務データを活用し、信用スコアやデフォルト確率を自動算出する」と説明した。

 20234月から運用が開始された企業信用リスクデータベース(CRD)システムは個別のソフトウェア導入が必要だったが、CRDウエブ版システムはウェブベースで利用できるため、融資審査がより迅速かつ容易になる。BSPは「中小企業融資の承認や金利設定の際の追加ツールとして機能し、マイクロファイナンスには大きすぎ、商業銀行には小さすぎるとされる『ミッシング・ミドル』層の資金調達を後押しする」と強調した。

 さらに、CRDウエブ版システムは信用リスク管理を強化するだけでなく、政策当局に対してもベンチマーク統計やデータを提供し、中小企業向け金融施策の立案を支援する役割を担うとされる。

 なお、フィリピンでは経済成長の原動力となる中小企業育成の重要性が指摘されている。しかしながら、中小企業における信用リスク情報の不足により、金融機関は十分な審査ができず、不動産等の担保に依った融資が多く、結果として資産を十分に有さない中小企業の資金調達が難しくなっていることが大きな課題として挙げられてきた。このような状況下で、BSPは金融機関による信用リスク情報の活用支援の強化をイニシアティブに設定している。

 このイニシアティブを進めるため、JICA20204月~20233月までの技術協力プロジェクト「企業信用リスクデータベース構築プロジェクト」を通じて、BSPによる企業信用リスクデータベース(CRD)の構築を支援した。上記のようにCRD20234月から運用が開始されたが、CRDを更に持続的に運営していくためには、フィリピンの経済状況等を踏まえて信用リスク評価モデルを継続的にアップデートし、運営体制を強化していく必要がある。

 このような状況下、JICAは中小企業向け融資を含めたフィリピン金融セクターの強化に資するCRDの持続的な運営の確立を目指し、信用リスク評価モデルを継続的にアップデートできるための能力強化、組織基盤の確立及び中小企業向け融資を促進する追加サービスの構築を支援する「企業信用リスクデータベース構築プロジェクト フェーズ2(202412月~202612月予定)を実施中。