9月5日に8月のインフレ率発表、直前予想コンセンサスは1.3%

6カ月連続1%台で目標の下限以下、中央銀行は1.0%~1.8%と推定

2025/09/02

 統計庁(PSA)は、95日午前9時、20258月の消費者物価(インフレ)統計を発表する予定である。

 現地有力経済紙であるビジネスワールド紙(BW)が先週実施した民間エコノミスト16名による20258月の総合消費者物価上昇率(総合インフレ率、前年同月比、2018年基準)に関する直前予想のコンセンサス(中間値)1.3%。予想最高は1.6%、最低は0.9%であった。コンセンサスの1.3%となれば、59カ月ぶりの低水準となった前月(7)0.9%からは加速するが、前年同月の3.3%からは大幅鈍化、6カ月連続での1%台で政府の年間インフレ目標(2%~4)の下限以下となる。

 一方、フィリピン中央銀行(BSP)829日、「20258月の総合消費者物価上昇率は1.0%1.8%の範囲内であったと推定している」と発表した。BSPは、悪天候の影響による果物、野菜、魚類の価格上昇、電力料金の値上げ、国内燃料価格の高止まり、ペソ安などがインフレ上昇圧力となったと見ている。しかし、コメ価格の継続的な低下、食肉価格の低下が、上記のような物価上昇圧力を一部相殺したと分析している。

 総合インフレ率とコアインフレ率の推移(2018年基準、平均値ベース)
21年 22年 23年 24年 25年1月 2月 3月 4月 5月 6月  7月
総合インフレ 3.9% 5.8% 6.0% 3.2% 2.9% 2.1% 1.8% 1.4% 1.3% 1.4% 0.9% 
コアインフレ 3.0% 3.9% 6.6% 3.0% 2.6% 2.4% 2.2% 2.2% 2.2% 2.2% 2.3% 
(出所:フィリピン統計庁資料より作成)