フォルクスワーゲン、フィリピン市場から撤退

公式販社アヤラ系ACEIとの販売契約終了

2025/09/20

 ドイツのフォルクスワーゲン(VW)と、フィリピンでのVW車の公認販社であるアヤラグループ傘下のオートモービル セントラル エンタープライズ(ACEI)は、フィリピンにおけるVW車の販売事業を終了することを決定した。

 今回の決定は、ACEIとフォルクスワーゲンとのディストリビューション契約を終了するもので、マニラ首都圏タギグ市ボニファシオ・グロ-バルシティ(BGC)VWショールームは、2025930日をもって閉鎖予定。ACEI2013年よりフィリピン市場におけるフVW車の輸入販売を担ってきたが、販売台数は競合他社に比べ低迷し、十分なシェア拡大には至らなかった。

 自動車業界関係者によれば、輸入車に対する価格競争力の不足や、電動車(EV)への需要シフトといった市場環境の変化が背景にあるとされる。アヤラグループ自身も近年、中国の比亜迪股份有限公司(BYD)EVなど新しいブランドへの注力を強めており、事業ポートフォリオの見直しの一環とみられる。

 なお、既存顧客へのアフターサービスは引き続き確保される。アラバン(マニラ首都圏南部)、パンパンガ(ルソン島中部)、セブ(ビサヤ地方)3拠点で整備や保証対応を継続する。