金融業界堅調、7月末総資産6.4%増の34.6兆ペソ

銀行7%増の28.6兆ペソ、ノンバンク5%増の6兆ペソ

2025/09/24

 フィリピン中央銀行(BSP)の最新データによると、20257月末のフィリピン金融機関の合計総資産は前年同月末比(以下同様)6.4%増の345,900億ペソに達した。

 内訳は、銀行業界が6.8%増の286,000億ペソ、そのうち、拡大商業銀行(ユニバーサルバンク)と商業銀行が6.2%増の266,600億ペソで大半を占めている。貯蓄銀行は13,700億ペソ、デジタル銀行は1,417億ペソ、地方・協同組合銀行は4,249億ペソとなっている。

 一方、ノンバンク系金融機関の総資産は5.1%増の59,900億ペソだった。ノンバンク系金融機関には、BSP監督下の投資会社、金融会社、証券ディーラー・ブローカー、質屋、貸金業者、非株式貯蓄貸付組合、クレジットカード会社、政府系ノンバンク金融機関、公認代理銀行、外貨取引法人などが含まれている。

 なお、フィリピン証券取引所(PSE)上場の主要民間銀行の資産、収益動向は以下の通り。資産規模では、BDOが総資産(51,266億ペソ)、純資産(6,084億ペソ)、受入預金残高(40,299億ペソ)、融資残高(34,758億ペソ)でいずれもトップとなっている。総資産2位はメトロバンクの34,775億ペソ、3位はBPI33,994億ペソ。その他は2兆ペソ未満である。

 表1.民間上位銀行の2025年上半期の資産等の状況(単位:億ペソ)
行名 総資産 純資産 CAR 預金残高 融資残高
BDOユニバンク 51,266 6,084 15.43% 40,299 34,758
メトロバンク 34,775 3,907 16.30% 23,456 18,454
BPI 33,994 4,535 15.25% 26,116 23,223
チャイナバンク 16,665 1,740 15.62% 13,498 9,433
RCBC 13,047 1,630 16.21% 9,827 7,639
PNB 12,930 2,222 20.14% 10,031 6,692
セキュリティバンク 11,543 1,477 13.24% 8,894 6,674
ユニオンバンク 11,354 1,952 15.80% 6,826 5,190
(出所:各銀行の事業報告書などより、注:CAR-自己資本比率は対リスク資産)

 2. 民間上位銀行の2025年上半期の収益動向(単位:億ペソ、純利益は帰属ベース)
銀行名 純収入 伸び率 純金利収入 伸び率 純利益 伸び率 純金利率 ROE
BDOユニバンク 1,361 9% 981 7% 406 3% 4.30% 13.92%
メトロバンク 776 11% 600 4% 248 5% 3.73% 12.80%
BPI 926 14% 712 16% 330 8% 4.58% 14.93%
チャイナバンク 389 34% 349 15% 130 14% 4.57% 15.21%
RCBC 304 21% 263 33% 53 20% 4.57% 6.90%
PNB 317 11% 258 7% 125 22% 4.60% 11.40%
セキュリティバンク 316 23% 243 12% 59 8% 4.56% 8.11%
ユニオンバンク 397 9% 313 14% 32 -36% 6.40% 3.30%
合計 4,786 14% 3,719 11% 1,383 6% - -
(出所:各銀行の事業報告書などより)