ウクライナ、比とドローン共同生産など模索

国会議員団やシンクタンク代表者がフィリピンへ

2025/09/25

 フィリピンを訪問したウクライナ国会議員団は、両国関係に大きな潜在力があるとして、貿易拡大や防衛産業の共同開発、とりわけドローン生産での協力可能性を強調した。代表団は923日にタギグ市BGCで開かれたストラトベース主催の戦略対話に参加した。

 ウクライナ国会議員ヴァディム・ハライチュク氏は、フィリピンを「復興政策における優先的パートナー」と位置づけた。ゼレンスキー大統領は「ロシアを支援した国ではなく友好国と連携する」と表明しており、フィリピンの積極的関与を歓迎する姿勢を示した。

 同席したレシア・ヴァシレンコ議員は、軍用ドローン分野での技術的優位性に触れ、「運用や戦略は現場経験に基づく知識であり、単に技術を移転するだけでは成り立たない」と述べた。ウクライナでは侵攻以降、ドローン生産企業が1,000社を超え、継続的に改良を重ねているという。

 ユリヤ・フェディフ駐比ウクライナ大使は、防衛協力に関する覚書(MOU)の締結を目指しており、共同生産協議の基盤になるとの見解を示した。

 今回の代表団には複数の国会議員やシンクタンク代表が参加しており、地域の安全保障課題が複雑化する中、フィリピンとの二国間協力深化を追求する方針を明確にした。経済と防衛を両輪とする連携強化が今後の焦点となる。