9月26日、首都圏や多数の州の官庁・学校休みに

民間企業は各自の裁量に、台風20号既に上陸・横断へ

2025/09/25

 フィリピン大統領府は、925日、台風20(アジア名:ブアローイ、フィリピン名:オポン)接近に伴うによる悪天候予想や国家災害対策本部の勧告に基づき、926(金曜日)、マニラ首都圏ならびに複数州における政府機関の業務および全教育機関の授業を停止すると発表した。この通達は直ちに効力を生じる。

 この措置は、ルーカス・ベルサミン官房長官が通達(MC)102号を通じて発出したもので、対象地域には以下のようなマニラ首都圏及びルソンとビサヤの26州が含まれる。

 マニラ首都圏、ビリラン州、東・北サマール州、サマール州、マスバテ州、ロンブロン州、ソルソゴン州、アクラン州、アルバイ州、アンティケ州、バタンガス州、バタアン州、南・北カマリネス州、カピス州、カビテ州、カタンドゥアネス州、ギマラス州、イロイロ州、ラグナ州、レイテ州、マリンドゥケ州、西ネグロス州、東ミンドロ州、リサール州、ケソン州。

 なお、基本的・重要な公共サービスおよび保健サービス、災害対策・対応業務を担当する政府機関は、政府機能の継続を確保するため、引き続き業務を継続しなければならない。また、その他の職員については、法令および規定に従い、各機関の長の判断により、最小限の要員体制または在宅勤務等の代替勤務形態を適用される。さらに、その他の地域における政府機関の業務や授業の局地的な中止または停止は、関連する法令・規則に従い、各地方自治体の首長の判断に委ねられる。民間企業およびオフィスに関しては、各責任者の裁量に委ねられる。

 なお、フィリピン気象庁(PAGASA)926日午前2時の発表によると、台風20号は25日午後1130分、東ビサヤ地方の東サマール州サン・ポリカルポ町に上陸した。この時点で、台風20号は、西北西に進みながらビコール地方方面に接近しており、26日午前中にソルソゴン州またはマスバテ州付近に再上陸する可能性があるとのこと。その後、シブヤン海を経てルソン島南部などを横断し、27日早朝に西フィリピン海(南シナ海)に抜けると予想されている。

 この台風20号の影響により、強い降雨、暴風、高潮が広範囲で予想されている。PAGASAは、台風の進路から外れた地域でも危険な気象状況が生じ得ると警告している。また、台風により強化された南西モンスーンの影響で、ルソン島北部からミンダナオ各地にかけて強風や突風が吹く可能性が高い。

 東ビサヤ、ビコール地方、ミンドロ島周辺などの沿岸では最大11メートル級の非常に高い波が予測され、ほぼ全国的に航行は危険とされる。PAGASAは、すべての船舶が出航を控えるか、すでに航行中の船舶は直ちに安全な港へ避難するよう強く呼びかけている。

 沿岸部では最大3メートルを超える高潮が36時間以内に発生する危険がある。特にマニラ首都圏、カラバルソン、ビコール地方、サマール島、セブ島、カピス州、アクラン州、ロムブロン州、パラワン州などの低地や風浪にさらされやすい地域では生命にかかわる浸水被害の可能性が高い。

 台風20号はフィリピンを横断する過程で勢力をやや弱める可能性があるが、西フィリピン海(南シナ海)に出た後は再び強まる可能性が高い。PAGASAは進路の北寄りまたは南寄りへの変動もあり得るとして、広範な警戒を呼びかけている。