東京海上のフィリピン等での植林、6千億円の経済価値創出へ

マングローブ植樹、12年連続のカーボン・ニュートラル達成の原動力

2025/09/29

 東京海上ホールディングス(東京海上)は、「グループ全体(国内・海外)事業活動において2013年度から2024年度まで12年連続で『カーボン・ニュートラル』を達成した」と発表した。
 
 東京海上グループでは、グループ全体(国内・海外)の環境負荷削減とカーボン・ニュートラル実現に向け、これまで(1)省エネ・エネルギー効率化、(2)マングローブ植林によるCO2吸収・固定、(3)自然エネルギー利用(グリーン電力の調達等)を推進してきた。

 その結果、マングローブ植林によるCO2固定・削減効果等が事業活動により生じるCO2排出量を上回り、204年度も『カーボン・ニュートラル』を達成し、2013年度から12年連続で『カーボン・ニュートラル』を達成した。なお、子会社である東京海上日動火災保険(東京海上日動)は、2009年度以降、16年連続で国内事業活動において『カーボン・ニュートラル』を達成している。

 東京海上グループの2024年度のCO2排出量57,370トン(スコープ112,517トン、スコープ221,344トン、スコープ323,509トン)に対し、フィリピンなどアジア太平洋9カ国でのマングローブ植林等によるCO2吸収・固定量は82,383トンであった。

 マングローブ植林は、地球温暖化の主要因と言われるCO2を吸収し多く蓄えることで地球温暖化の抑制に役立つ。また、高波や津波、海岸浸食、洪水等の自然災害から人々の生活や生態系を守る「みどりの防波堤」の役割を果たす。実際に200412月のインド洋大津波や、201311月にフィリピンに甚大な被害をもたらした台風ヨランダ襲来の際には、マングローブ林の背後に暮らす多くの人々や建物等が守られた。

 東京海上グループは、1999年から「地球の未来にかける保険」をコンセプトにマングローブの植林を開始し、20253月末累計で、アジア太平洋9カ国(フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム、ミャンマー、フィジー、インド、バングラデシュ、マレーシア)12,970ヘクタールにマングローブを植林した。

 このような東京海上グループのマングローブ植林プロジェクトを通じて生み出された生態系サービスの経済的価値は、24年間(19994月から20233月末まで)累計で約2,023億円に達している(国際的に認められた方法論に従った三菱総合研究所の試算結果)2,023億円の内訳は、マングローブ生産物の収穫213億円、現場外の漁業生産性の向上408億円、海岸線の安定化と浸食防止653億円、極端な気象からの避難所機能(被害軽減)307億円、水質調整423億円、炭素隔離(気候変動の緩和)15億円。

 そして、2042年には累計6,387億円に達すると推定されている。その内訳は、マングローブ生産物の収穫672億円、現場外の漁業生産性の向上1,158億円、海岸線の安定化と浸食防止2,307億円、極端な気象からの避難所機能(被害軽減)962億円、水質調整1,262億円、炭素隔離(気候変動の緩和)23億円。