IPS、基地転換開発庁と通信インフラで協働へ

ルソン島を東西で結ぶ国際通信ハブ構築目指す

2025/10/02

 フィリピン中心に先端技術活用の通信事業などを展開するアイ・ピー・エス(IPS、本社:東京都中央区)は、930日、フィリピン基地転換開発庁(BCDA)と、ルソン島における通信インフラの利用および収益化に関する基本合意を締結したと発表した。

 IPSのフィリピンの連結子会社InfiniVAN(インフィニVAN、所在地:タギグ市BGC)が実務を担当、今後、ルソン島東岸アウロラ州バレルと西岸ラ・ウニオン州サンフェルナンドを光ファイバーで結び、同島を横断する通信基盤を構築する。

 IPSはすでにMetaやソフトバンクなどと共同で、日本・フィリピン・シンガポールを結ぶ国際海底ケーブル「キャンドル・サブマリン・ケーブル・システム(キャンドル)」の建設に参画している。キャンドルはアウロラ州バレルに陸揚げされる。すなわち、このバレル陸揚げ局をアジア側のエントリーポイントと位置づけ、東南アジア全域のデジタルハブ化を目指す。

 一方、BCDAはバレルとサンフェルナンドを結ぶ全長約240キロメートルの多管式ケーブル管路「ルソン・バイパス・インフラ(LBI)」を整備中。台湾とルソン島の間のルソン海峡を迂回する国際ケーブル代替ルートとして、通信の安定性確保に寄与する。

 今回の合意は最終契約ではないが、今後、IPSとインフィニVANBCDAとともに、LBIを含むインフラや経済特区内の資産活用について協議を進める。商業的な契約締結も視野に入れている。今後ルソン島東西を結ぶ通信インフラの整備により、フィリピン国内のネットワーク拡充や国際データトラフィックの集積効果が期待される。