中央銀行、10月のインフレ率1.4%~2.2%と推定

3カ月連続加速の可能性、発表は11月5日と予定

2025/10/31

 フィリピン統計庁(PSA)は、115日午前9時、202510月の消費者物価(インフレ)統計を発表する予定である。
 
 それに先立ち、フィリピン中央銀行(BSP)は、1030日、「202510月の総合消費者物価上昇率(総合インフレ率、前年同月比、2018年基準)1.4%2.2%の範囲内であったと予想している」と発表した。すなわち、10月の総合インフレ率は、前年同月の2.3%からは鈍化したが、前月の1.7%からは加速した可能性があると見ている。BSP予想の上限の2.2%ならば、20251月の2.9%以来9カ月ぶりの高水準となる。予想の中間値の1.8%ならば、3月の1.8%以来7か月ぶりの高水準となる。

 BSP10月については、コメ、魚介類、野菜、電力料金の上昇、およびペソ安が物価押し上げの主因になったと分析。特にコメ価格の高止まりと電力コスト上昇は、家計支出を通じて総合物価に直接的な影響を与える。一方で、国際原油価格の低下や肉類・果物の価格下落がインフレ上昇圧力を一部相殺した可能性があると見ている。

 BSPは声明で、「国内外の経済動向を注視し、データに基づく政策運営を継続する」と強調した。今後もインフレおよび成長見通しに影響を与える要因を慎重に監視し、金融政策の調整を検討する方針を明確にしている。


 総合インフレ率とコアインフレ率の推移(2018年基準、平均値ベース)
22年 23年 24年 25年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
総合インフレ 5.8% 6.0% 3.2% 2.9% 2.1% 1.8% 1.4% 1.3% 1.4% 0.9% 1.5% 1.7%
コアインフレ 3.9% 6.6% 3.0% 2.6% 2.4% 2.2% 2.2% 2.2% 2.2% 2.3% 2.7% 2.6%
(出所:フィリピン統計庁資料より作成)