2025年のペソ対ドルレートは1.6%続落、一時史上最安値に

59.22ペソまで下落、汚職、正副大統領対立、景気鈍化等響く

2026/01/02

 フィリピン銀行協会(BAP)のペソ対米ドル為替データによると、202512月の最終営業日29日のペソ対米ドルレート終値は1米ドル=58.790ペソで、前月末から0.145ペソ、率にして0.25%反落した。

 12月の終値ベースで最もペソ高となったのは1日の1米ドル=58.490ペソ。最もペソ安となったのは9日の59.220ペソで、終値ベースではそれまでの過去最安値59.170ペソ(20251112)を下回り、史上最安値となった。

 12月は、引き続き治水事業における悪質で大規模な汚職問題、正副大統領陣営の対立、第3四半期のGDP成長率が4.0%で4年半ぶりの低成長と判明したこと、経常収支の悪化、フィリピン中央銀行による追加利下げの動きなどによりペソの下落ピッチが強まり59ペソ台に再下落、過去最安値を更新するに至った。

 ただ、12月後半は米国での追加利下げ観測が再燃したこと、例年通りクリスマス休暇に向けての海外フィリピン人(OF)からの本国送金増加などにより、ペソは小幅ながら反発、辛うじて58ペソ台での引けとなった。
 
 2025年通年では1.61%のペソ安となった。終値ベースでのペソ最高値となったのは523日の1米ドル=55.250ペソ、上記のように最安値は129日の1米ドル=59.220ペソ。米国の金融政策や関税政策に大きく影響を受ける展開となった。そして、上記のような汚職問題や政局混乱懸念、南シナ海での中国の威圧的行動、更には景気鈍化、対外負債増加や対外収支悪化とも相まってペソは軟調な動きとなった。

 ペソは当面不安定な動きが予想される。クリスマス休暇明けでOF送金がピークアウトしつつあること、引き続き、汚職問題、正副大統領陣営の対立、南シナ海領海問題、景気鈍化などにより、60ペソ台を視野に入れる展開を予想する向きもある。

 ペソ対米ドルレートの動き(年末値/月末値)
時期 年末・月末値 上昇率
2017年 49.930ペソ -0.42%
2018年 52.580ペソ -5.04%
2019年 50.635ペソ 3.84%
2020年 48.023ペソ 5.44%
2021年 50.999ペソ -5.84%
2022年 55.755ペソ -8.53%
2023年 55.370ペソ 0.70%
2024年 57.845ペソ -4.28%
 2025年  58.790ペソ  -1.61%
2025年 1月末 58.365ペソ -0.89%
2月末 57.995ペソ 0.64%
3月末 57.210ペソ 1.37%
4月末 55.840ペソ 2.45%
5月末 55.745ペソ 0.17%
6月末 56.330ペソ -1.04%
7月末 58.320ペソ -3.41%
8月末 57.130ペソ 2.08%
9月末 58.196ペソ -1.83%
10月末 58.850ペソ -1.11%
11月末 58.645ペソ 0.35%
12月末 58.790ペソ -0.25%
12カ月間 - -1.61%
(出所:フィリピン銀行協会資料より作成)