年間平均失業率5.5%に大幅改善(昨年6.3%)

最悪はカラバルソンの7.2%、首都圏6.6%

2016/12/22



  フィリピン統計庁(PSA)は、2016年1月、4月、7月、10月の労働・雇用動向をまとめて算出した平均値に基づき2016年通年の労働雇用推定速報値を発表した。

 15歳以上の人口(2000年国勢調査基準)は6,812万5千人で、労働力参加率は64.5%。就業者数は4,083万7千人で、就業率(雇用率)94.5%、失業者数は260万2千人で、失業率は5.5%であった。過去データでは、2014年の失業率が6.8%、2015年が6.3%とされており、2016年は大幅改善したといえる。

 就業者4,083万7千人のうち、農業部門が26.9%、鉱工業部門が17.5%、サービス部門が55.6%を占める。就業形態は、賃金労働者が労働者全体の61.7%、そのうち民間企業労働者は48.2%を占めた。自営・事業主は30.2%、無給家内労働者が8.0%であった。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の66.6%であった。

 不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は747万8千人(不完全就業率は18.3%)。
 
 失業者数236万7千人のうち、15歳~24歳の失業者の割合は48.4%で若者の失業者の多さが目立つ。次いで25歳~34歳が29.3%、35歳~44歳が10.7%となっている。また学歴別では、大学進学・卒業者の失業者の割合は35.2%(卒業者は21.4%)、中学校進学・卒業者は42.8%(卒業者は31.2%)。性別では男性62.8%、女性37.2%。

 地域別で失業率が最も高いのは、カラバルソン地方(7.2%)。次いで、中央ルソン地方(6.6%)、マニラ首都圏(6.6%)。一方、失業率が最も低かったのは、カガヤン・バレー地方(3.1%)、次いでミンダナオ・イスラム教徒自治区(ARMM)地域(3.8%)であった(16年12月21日のフィリピン統計庁発表より)。


フィリピンの雇用・失業者動向(単位:千人)
フィリピン 2016年
15歳以上人口 68,125
労働力参加率 63.4%
就業率 94.5%
失業率 5.5%
不完全就業率 18.3%
(出所・フィリピン統計庁資料より作成)


2016年の地域別就業率・失業率の比較(単位:千人、%)
地域 15歳以上人口 労働力参加率 就業率 失業率 不完全就業率
マニラ首都圏 8,776 63.1 93.4 6.6 7.6
コルディリェラ行政地域 1,211 66.0 95.5 4.5 29.2
1-イロコス 3,474 62.0 93.7 6.3 16.1
2-カガヤンバレー 2,339 65.5 96.9 3.1 23.6
3-中央ルソン 7,517 62.1 93.4 6.6 16.2
4A-カラバルソン 9.341 64.2 92.8 7.2 12.4
4B-ミマロパ 2,021 65.2 95.9 4.1 31.3
5-ビコール 3,940 62.6 95.3 4.7 29.2
6-西ビサヤ 5,297 63.9 95.1 4.9 18.1
7-中央ビサヤ 5,106 66.7 95.0 5.0 15.5
8-東ビサヤ 3,049 62.1 95.5 4.5 28.3
9-サンボアンガ半島 2,464 63.7 96.1 3.9 24.0
10-北ミンダナオ 3,176 66.6 94.7 5.3 24.7
11-ダバオ地域 3,324 62.8 95.5 4.5 17.7
12-ソックサルジェン 2,971 64.1 95.8 4.2 22.0
カラガ 1,805 63.4 94.9 5.1 25.9
ミンダナオ・イスラム教徒自治区 2,315 53.1 96.2 3.8 9.8
           
フィリピン全体 68,125 63.4 94.5 5.5 18.3
 (出所・フィリピン統計庁資料より作成、速報値)