新年第1週の株式市場、約6%の急上昇

不動産株7%上昇、ダブルドラゴン29%急騰

2017/01/09

 フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)は、2017年第1週(1月3日~6日)に急上昇した。

 これは、2016年8月以降5カ月間で14.1%の大幅反落、特に11月だけで8.4%という急落にともなう値頃感からの押し目買いの動きが活発化したこと、外人資金の流出先となってきた米国の景気拡大はフィリピンなど新興国経済にも好影響を及ぼすとの楽観的な見方が増えてきたこと、NYダウの初の2万ドル台突破の可能性が高まったことにともなう市場センチメントの改善などが背景といえよう。

 昨年8月以降、約490億ペソを売り越した外人(年間では辛うじて約29億ペソの買い越し)が、今年第1週は毎日買い越しを続け、新年1週間では15億9,247万ペソの買い越しとなった。

  新年1週間の大分類セクター別指数は全て上昇となった。上昇率トップは不動産株の6.95%、以下、持株会社(ホールディング・カンパニー)株5.85%、金融株5.80%、サービス株5.77%、鉱業・石油株(資源株)4.14%、工業株3.74%と続く。

 個別銘柄の上昇率上位は、バイタリッチ(鶏肉)が36.76%急騰でトップとなった。以下、ダブルドラゴン(不動産)28.91%、PTFCリデベロップメント(不動産)23.33%、インペリアル・リソースB株(サービス)20.00%、クラウン・エクイティ(不動産)17.31%、プレミアム・レジャー(サービス)15.38%、プライメックス(不動産)15.09%、アルターランド(不動産)15.00%、セキュリティバンク(金融)14.95%、グローバル・フェロニッケル(鉱業)13.99%と続く。


 フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率16年までは年末値、17年は第1週末値)
項目 2013年 14年 15年 16年 17年第1週 17年第1週終値
フィリピン証券取引所指数 1.33% 22.76% -3.85% -1.60% 5.96% 7,248.20
全株指数 -2.29% 17.99% -6.43% 4.15% 4.76% 4,353.80
  金融株指数 -6.42% 18.78% -8.58% 6.76% 5.80% 1,751.49
  工業株指数 2.11% 37.89% -7.94% -3.45% 3.74% 11,048.03
  持株会社株指数 5.41% 16.03% 4.78% 5.92% 5.85% 7,401.19
  不動産株指数 -4.30% 27.42% 3.75% 5.17% 6.95% 3,279.60
  サービス株指数 8.20% 13.94% -28.03% -14.86% 5.77% 1,378.03
  鉱業・石油株指数 -38.59% 32.70% -34.07% 13.72% 4.14% 12,348.35
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成) 

 
 フィリピン証券取引所の推移(16年までは年末値、17年は第1週末値)
項目 2011年 12年 13年 14年 15年 16年 17年第1週
フィリピン証券取引所指数 4,371.96 5,812.73 5,889.83 7,230.57 6,952.08 6,840.64 7,248.20
年末時価総額(億ペソ) 86,970 109,301 119,313 142,517 134,651 144,388 151,738
  国内企業時価総額 72,390 94,163 96,452 117,128 111,878 118,732 124,878
  外国企業時価総額 14,580 15,138 22,861 25,389 22,773 25,656 26,860
1日平均売買額(億ペソ) 57.1 72.6 105.2 88.0 89.6 78.1 72.8
外人の売買額シェア 37.8% 45% 51% 49% 48% 51% 50%
外人買越額(億ペソ) 565.2 1,099.8 155.9 557.2 -597.1 21.6 15.9
PER(株価収益率) 16.57倍 17.97倍 17.79倍 20.13倍 19.48倍 17.90倍 19.06倍
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)