日清食品のフィリピン即席麺事業、急成長続く
ニッシンURC、16年度純利益52%増の4億6千万ペソ
2017/01/16
売上高、純利益、総資産ともに3年間で倍増と好調
日清食品グループ(日清グループ)は、フィリピンにおいて、ゴコンウェイ・ファミーリーの有力食品企業ユニバーサル・ロビーナ・コーポレーション(URC)との合弁企業「ニッシン・ユニバーサル・ロビーナ・コーポレーション」(ニッシンURC、1996年設立、会計期末9月、本社:マニラ首都圏ケソン市)を通じて即席麺事業を展開、カップ麺ではトップ企業となっている。現在の日清グループのニッシンURC株式保有比率は49%となっている。
このニッシンURCの業績が好調に推移している。URCの年次報告書などによると、ニッシンURCの2016年度(2015年10月~2016年9月)の売上高は前年度比18%増の42億0,900万ペソ、EBITDA(税前・償却前・利払い前利益)は同48%増の7億4,700万ペソ、純利益は同52%増の4億6,300万ペソと二桁増収増益となった。
3年前の2013年度との比較では、売上高が2.3倍、純利益が2.2倍、総資産が1.9倍と急増している。フィリピンの高い経済成長率、即席麺、特にカップ麺の需要拡大にくわえ、日清グループのフィリピン事業強化策の奏功といえよう。
項目 | 13年度 | 14年度 | 15年度 | 16年度 | 前年度比 |
売上高 | 1,851 | 2,434 | 3.553 | 4,209 | +18% |
EBITDA | 334 | 461 | 505 | 747 | +48% |
純利益 | 209 | 299 | 304 | 463 | +52% |
総資産 | 1,099 | 1,407 | 1,612 | 2,097 | +30% |
東南アジア地域は、麺食文化がもともと存在することに加え、継続的な経済成長による即席麺の消費量・販売額の拡大が見込める有望市場であり、日清グループも同地域での事業展開を加速させている。中でもフィリピンは、2013年には実質GDP成長率が7.2%を記録、その後も好調を維持、2016年も約7%成長となったと見られるなどASEAN屈指の高成長を続けている国である。同時に、フィリピンは即席麺の総需要が世界第9位となる27億2,000万食の規模を有する世界有数の市場であり、今後も人口増加や経済力の向上にともない、さらなる市場拡大が期待されている。
日清グループは、以前よりニッシンURCを通じて、フィリピン市場の開拓を行ってきた。特に近年は1人当たりのGDPや可処分所得が増加したことにともない、袋麺だけでなく、より付加価値の高いカップ麺の需要が高まっており、ニッシンURCの主力製品である「Cup Noodles」の販売も好調に推移している。
なお、フィリピンでの即席袋麺のトップ企業は、ラッキーミーブランドで知られるモンデ・ニッシンである。社名には「ニッシン」が含まれており紛らわしいが、モンデ・ニッシンは現地資本企業であり、日清など日本企業との資本関係は全くない。
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