日本車がベスト10のうち8モデルを占める
フィリピン自動車工業会(CAMPI)など工業会加盟企業、自動車輸入販売企業協会(AVID)加盟企業、非加盟独立系企業の合計から重複加盟分(フォードなど)を調整した2016年のフィリピン新車総販売台数は同24.9%増の40万4,051台に達し、総販売台数ベースで5年連続での史上最高記録となった。車種別では、乗用車が15万8,619台(構成比39.3%)、商用車が24万5,432台(構成比60.7%)であった。
2016年のブランド別総販売台数トップは、相変わらずトヨタであり、トヨタモーター・フィリピン(TMPC)の販売は前年比27%増の15万8,058台であった。TMPCの市場シェアは39.1%で、前年の38.5%から更に上昇した。
2016年の個別モデル販売台数ランキングは、1位トヨタ・ヴィオス(小型セダン)3万6,256台、2位トヨタ・フォーチュナー(SUV)2万8,549台、3位トヨタ・ハイエース(バン)1万9,913台、4位トヨタ・ウイゴー(ミニハッチバック)1万8,430台、5位トヨタ・イノーバ(MUV)1万8,137台、6位トヨタ・アバンサ(小型ミニバン)1万3,466台。
トヨタが首位から6位までを占めた後に、7位に三菱ミラージュ(小型セダン)1万2,880台)、8位フォード・エベレスト(SUV)1万2,453台、9位トヨタ・ハイラックス(1万2,405台)、10位現代アクセント(小型セダン)1万2,360台と続く。ベスト10のうち8車種は日本車で占められた。
なお、トップのトヨタ・ヴィオスは、フィリピンでの自動車生産・販売を拡大を促し産業振興を支援するための「包括的自動車産業振興戦略」(CARS)プログラムの対象車種である。
このCARSのもとで、フィリピン政府は総額270億ペソの期間限定(2022年までの6年間)・成果型の優遇措置を講ずる。優遇措置は3車種(1車種につき6年間で20万台以上生産、すなわち年間平均3万3千台以上生産)を対象に実施される。上記の様に、ヴィオスの2016年の販売台数は3万6,256台で、優遇措置で義務付けられている年間平均約3万3千台以上というペースを上回っていることが注目される。