仮想通貨取引所の規制ガイドラインを発表

中銀登録や財務諸表・取引額提出義務化へ

2017/02/09

 フィリピン中央銀行(BSP)は、2017年2月6日付け回覧944号において、ビットコインなど仮想通貨(VC)取引所規制ガイドラインを発表した。

 その発表において、BSPは「金融革新を促進する一方で、金融システムや消費者を適切に保護し、金融取引が資金洗浄(ML)やテロ資金に利用されることを防止する」という基本政策を説明するとともに、「仮想通貨システムは、支払い、決済、送金などの金融取引の迅速性向上やコスト低減などをもたらす可能性や革新性があることは確かである。しかし、匿名性の高い取引である、VGの価値変動が激しい、資金洗浄やテロ資金に利用されやすい、ITリスクが高いなどの問題も少なくない」と概括している。

 そして、「中央銀行は、ビットコインなど如何なる仮想通貨をエンドースするものではない。仮想通貨は中央銀行によって保証された正式通貨ではないし、実物によって裏付けされたものではない。BSPは、仮想通貨が、支払いや送金などの金融サービスに活用された場合に、資金洗浄(ML)やテロ資金に利用されたり金融システムの安定や消費者保護を脅かさないために、仮想通貨を規制するものである」とも強調している。

 そのうえで、「仮想通貨取引サービスとは、仮想通貨と、正式通貨やそれに準ずるのものとの取引・交換を提供するサービスであり、仮想通貨取引所とはそのようなサービスや機能を提供する組織・機関」と定義している。そして、「仮想通貨は送金や支払いに利用されるのであるから、仮想通貨取引所は、機能的には、送金会社と同種とみなされる」としている。

 したがって、仮想通貨取引所は、送金企業と同様に、中央銀行への登録、その登録証書取得、公証事業証書提出、資金洗浄防止協議会への登録、義務付けられた研修実施、登録料や年間サービス料の支払いなどが必要となるとのことである。

 また、仮想通貨取引所は、1回あたりの支払額が50万ペソ相当以上の場合は、小切手支払い、もしくは支払先の預金口座へ直接入金することが要求される。

 さらに、毎年6月末までに監査済み年次財務諸表類の提出、四半期ごとお仮想通貨取引量・額や役員リストの提出が求められる様になる(17年2月7日のフィリピン中央銀行発表より)。