1月のOFW送金、8.5%増の24億ドル

うち銀行経由分は8.6%増の21億7千万ドル
日本からは16%増の1億1千万ドルで6位

2017/03/16

  フィリピン中央銀行(BSP)対外収支データによると、2017年1月のOFWからの銀行経由による本国現金送金額は21億6,900万米ドルで、前年同月(19億9,700万米ドル)から8.6%増加した。

 そのうち、陸上ベースのOFWからの送金額は13.5%増の17億5,800万米ドル、海上ベースのOFWからは8.3%減の4億1,000万米ドルであった。 なお、この統計におけるOFW送金額は中央銀行が把握している公式銀行ルートによるものである。

 送金元の国別動向については、1位が米国で前年同月比9.2%増の6億9,800万米ドル(シェア32.1%)、2位サウジアラビアの4.1%増の2億0,200万米ドル(9.3%)、3位アラブ首長国連邦(UAE)の9.0%増の1億6,700万米ドル(7.7%)、4位シンガポールの19.7%増の1億4,300万米ドル(6.6%)、5位英国の8.4%増の1億1,900万米ドル(5.5%)、6位日本の16.0%増の1億1,200万米ドル(5.2%)、7位カタールの57.8%増の9,900万米ドル(4.6%)、8位クウェートの9.2%減の6,100万米ドル(2.8%)、9位豪州の28.3%増の5,700万米ドル(2.6%)、10位香港の20.3%減の5,700万米ドル(2.6%)など。上位10カ国で送金額全体の79%を占めている。


OFWからの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル、伸び率:%
項目 年間推移
10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年
送金額 18,763 20,117 21,391 22,984 24,628 25,607 26,900
対前年伸率   7.2 6.3 7.4 7.2 4.0 5.0
日本から 883 914 1,010 904 1,419 1,223 1,363


月別OFWからの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル、伸び率:%)
16年 17年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
送金額 1,997 2,098 2,362 2,213 2,188 2,334 2,131 2,319 2,383 2,099 2,217 2,559 2,169
対前年同月伸率 3.6 8.4 -1.4 6.9 5.8 4.8 -5.4 16.3 6.7 -3.0 18.5 3.6 8.6
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成、*注:17年は速報値)


 また、国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金+帰国時持参分+非現金型資産贈与含む)によると、1月の包括的OFW送金額は前年同月比8.5%増の23億9,600万米ドルと増加した。当然のことながら、従来からの公表データである銀行経由分のみの送金額を上回っている。



包括的OFW送金額(単位:百万米ドル、伸び率:%)
項目 年間推移
10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年
送金額 20,563 21,922 23,352 25,369 27,273 28,308 29,706
対前年伸率 7.8 6.6 6.5 8.6 7.5 3.8 4.9


月別包括的OFW送金額推移(単位:百万米ドル、伸び率:%)
16年 17年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
送金額 2,208 2,320 2,606 2,443 2,416 2,575 2,355 2,559 2,626 2,326 2,448 2,823 2,396
対前年同月伸率 3.4 8.3 -1.4 6.6 5.7 4.8 -5.4 16.0 6.3 -2.8 18.4 3.6 8.5
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成、*注:17年は速報値)


 テタンコBSP総裁は、熟練OFWに対する根強い需要に加え、継続的な銀行・ノンバンク系送金機関のネットワーク拡大や送金市場における金融商品の革新等が送金流入の増加に寄与していると説明した(17年3月15日のフィリピン中央銀行発表などより)。