常石が電動車事業に、自社開発しセブ島で試乗会

2016/11/03

 

 常石造船グループのツネイシCバリューズ (本社:広島県福山市)のフィリピン子会社であるTSUNEISHI C VALUES PHILIPPINES, Inc は、このほど、フィリピンのセブ州バランバン市において、自社開発した電気自動車(EV)新型2車種の試乗会を開催した。

 試乗会で走行したEVは、コンパクトな2人乗りタイプと、荷積み空間が広いピックアップトラックの2車種である。いずれも60キロ以上の走行可能であり、オプションとして走行距離を延ばすためにガソリンを燃料としたハイブリッド型発電エンジンの搭載も可能である。今回のEV試乗会は、『フィリピンで最も環境に優しい町』を目指しているバランバン市と連携し開催したもので、セブ州にある現地メディアにも試乗会の様子が取り上げられるほど注目を浴びた。

 フィリピンでは、主にタクシー用としてガソリンを燃料とするトライシクル(3輪タクシー)約350万台が短距離の交通手段として利用されているが、これら車両の排気ガスによって、大気汚染の拡大やCO2の排出増大へとつながっている。その解決策の一つとして、フィリピン政府では、トライシクルの電動化プロジェクトがマニラで進んでおり、CO2削減の取り組みが国家プロジェクトとして推し進められている。

 この環境問題を解決するため、ツネイシCバリューズでも、2014年12月にツネイシEVラボを設立し、フィリピンで利用可能なEVの研究開発に取り組んできた。ツネイシCバリューズでは来春のEV販売事業化に向けて、引き続きCO2の削減や利便性、信頼ある製品の開発を進め、環境に配慮したEVを提供するEV事業に取り組んで行く方針である。

 ツネイシCバリューズはエネルギーの安定供給をはじめ、サービスステーションの運営、新車、中古車の販売・整備から使用済自動車の部品の再利用・再資源化による100%リサイクル、保険事業にいたるまで、カーライフをトータルにサポート。さらに、産業用から住宅用まで太陽光発電の設置・販売やガスなど、ホームエネルギーにまつわる事業も展開している。

 なお、常石造船グループのフィリピンの主要拠点はツネイシヘビーインダストリーズ(セブ){セブ常石造船}である。セブ常石造船は、2014年に設立20周年を迎えたフィリピ ン・セブ島に立地する常石グループとフィリピンのアボイティス・グループとの合弁会社である。3万トン級から18万トン級のばら積み貨物船を中心に、年間約20隻を建造し、従業員数は協力会社を含め1万人を超えるフィリピン有数の造船所となっている(16年11月2日のツネイシホールディングス株式会社ニュースリリースより)。