RCBC業績堅調、上半期純利益3%増の26億ペソ
2016/08/04
自己資本比率(CAR)16.8%、不良債権比率0.84%と良好
総資産5,000億ペソ突破、700社超の日系企業と取引
有力銀行のリサール商業銀行(RCBC)が、8月3日に、2016年上半期(1月~6月)の決算速報を発表した。
RCBCの今上半期の純利益は前年同期比3.3%増の26億1,000万ペソとなった。一時的な売買損益を除外したコア利益ベースでは59%の増加であった。年率換算の株主資本利益率(ROE)は8.8%、総資産利益率(ROA)は1.1%であった。
主力の融資業務等による純金利収入は前年同期比8.2%増の80億6,000万ペソと好調、総収入の66%を占めた。そして、年率換算の純利鞘率は4.2%と業界最高水準を維持した。上半期末の受け入れ預金残高は3,198億ペソ、総資産は同6.7%増の5,003億ペソ、株主資本は599億ペソに達している。
RCBCは、業容拡大の一方で、財務体質の向上、自己資本拡充も推進してきた。上半期末の単独ベースでの不良債権(NPL)比率は0.25%、連結ベースでも0.84%と低水準。フィリピンでも導入されたバーゼルⅢ基準での自己資本比率(CAR)は16.78%で中央銀行の最低基準10%を大幅に上回っている。補完資本 (TIER2)を除いた普通株式中核自己資本(CET1)比率も13.48%と高く、中央銀行の最低基準8.5%を大幅に上回っている。
RCBCは、支店網拡充やATM台数増加などネットワーク拡充も推進しており、上半期末の店舗数は477店(前年同期末は450店)、ATM台数は 1,443台(同1,232台)。顧客数は732万に達し、前年同期末の688万人から6.4%増加している。なお、1支店当たりのATM設置台数は3.03台で業界最高水準を維持している。
RCBCはフィリピンの有力財閥ユーチェンコグループ傘下の中核企業。ファーストシニアバイスプレジデントの松本康宏氏ら日本人駐在員3名(うち1人はりそな銀行から出向の山戸 昭雄氏)を含む総勢40名超の日本企業部はフィリピン民間商業銀行でも有数の規模である。日系企業700社超と取引を有し、主要工業団地に支店を開設するなど、日系企業に対し充実した金融サービスを提供している(16年8月3日のフィリピン証券取引所回覧04575-2016号などより)。