EURO4対応燃費節約競争、日本車が首位独占
2016/07/11
ガソリン車スズキ・セレリオ、ディーゼルいすゞD-MAX
10年前に全車「EURO4」対応達成のホンダも好成績
フィリピン環境天然資源省(DENR)は、2016年1月から、フィリピンで販売される全四輪車に欧州連合(EU)の排ガス規制「EURO4」対応を義務化した。
このような状況下、フィリピンエネルギー省(DOE)、石油元売り最大手ぺトロンと共同で、さる5月27日、パンパンガ州クラーク周辺において、フィリピン エネルギー基準&ラベリングプログラム(PESLP)に基づく「EURO4」対応エコノミーラン(燃費節約走行競争)を実施した。
このエコノミーランには自動車メーカー22社の70モデルが参加、アンヘレス市のぺトロンガソリンスタンドを起点に、スアービック-クラーク-タルラック高速道路(SCTEX)、タルラック-パンガシナン-ラウニオン高速道路(TPLEX)など280キロメートルを走行した。
このほど、エネルギー省のホームページに、この「EURO4」対応エコノミーランの結果が掲載された。それによると、ガソリン車で最高の燃費効率性を記録したのはスズキの Aセグメント車(A-Segment,City car、最小型車)の「セレリオ」で、1リットル当たり29.14km走行(29.14km/L),、ディーゼル車では、いすゞのピックアップ・トラック「D-Max」 (38.46km/L).が最高であったとのことである。ドライバーの運転技術などに左右される要素はあるだろうが、双方で日本車がトップとなった。
フィリピンでの「EURO4」対応義務化より遥か以前の2006年末までに 四輪全モデルに於ける「EURO4」対応を完了したホンダカーズ・フィリピン(HCPI)からは8モデルが参加、そのいずれもが好成績を残した。特に、サブコンパクト・ハッチバック車ジャス(日本名フィット)1.5VXCVT車が、8モデルの中で最高(28.60km/L)を記録した。4月発売の「新型シビックRSターボ」がそれに続く効率性(27.56km/L)を記録した。
なお、DENRが2016年1月からの全四輪車 「EURO4」対応を義務化する動きのなかで、ホンダカーズ・フィリピン(HCPI)は2015年7月に現地生産の小型セダン「シティ」の「EURO4」認定を取得した。「シティ」はフィリ ピンで販売されるホンダ四輪車として、初の「EURO4」対応車認定となったのである。その後「シティ」以外のモデルの早期認定取得を推進、DENRが求 める16年1月を待たずに、全モデルでの認定取得に至ったのである。
ただし、HCPIは2004年に「EURO4」対応の商品投入を開始、上記のように2006年末までに 四輪全モデルに於ける「EURO4」対応を完了していた。HCPIの商品そのものは「EURO4」対応を完了していたものの、DENRが「EURO4」認定制度を用意していなかったことから、「EURO4」認定制度導入までは「EURO2」もしくは「EURO3」で認定を取得していたという経緯がある。
2016年1月からの義務化に伴い「EURO4」認定制度が整ったことから、 まずは現地生産モデルである「シティ」の認定を取得した。 そして、上記のように実際には既に全モデルで「EURO4」対応を完了していたので、全モデルでの「EURO4」認定早期取得を進めてきたという経緯もある