ハイネケン、フィリピンで現地生産へ

2016/05/28

ルシオ・タン氏のアジアブリュワリーと合弁
シェア90%超のサンミゲル・ビールに挑む

 

 フィリピン有数の富豪であるルシオ・タン氏の持株会社LTグループ(LTGI)は、5月27日、「LTGI傘下のビール企業アジア・ブリュワリー(ABI)が、世界第3位のビール企業ハイネケン(オランダ)と、フィリピンにおいて合弁企業を設立する」と発表した。



 新合弁企業名はABハイネケン・フィリピンであり、ABIのラグナ州カブヤオと東ミサミス州エルサルバドルの2工場においいて、ハイネケン主力製品及び買収したシンガポールのタイガービールを製造し、フィリピンでのシェア拡大を図る。ABIの主力製品はビア・ナ・ビア(Beer Na Beer)という国産ビールであるが、コルト45の製造ライセンスを有しているほか、アサヒ・スーパードライの独占販売権を有している。ハイネケン製品を加えることで、品揃えや高級イメージを強化、国内シェア90%強を誇るサンミゲル・ブリュワリー(サンミゲル・ビール)に挑む。

 ハイネケンも5月27日同様な発表を行ったが、双方ともに、出資額や出資比率などの詳細は発表しなかった。

 なお、サンミゲル・ビールにはキリン・ホールディングスが約48.39%出資、フィリピンで強力なタッグを組んでいる。一方、日本では、キリンビールがライセンス契約を結びハイネケンビールの製造や販売を行っている。そして、合弁企業ハイネケン・キリンがハイネケンビールのキリンビールでのライセンス生産および日本国内におけるマーケティング活動を統括している(16年5月27日のフィリピン証券取引所回覧03066-2016号などより)。