リサール商業銀行(RCBC)タン頭取、6日に辞職
2016/05/06
2月初めに、バングラデシュ銀行(中央銀行)の米ニューヨーク連邦準備銀行に保有する口座がハッカーに不正アクセスされ、盗まれた8,100万ドルがフィリピンのリサール商業銀行(RCBC)ジュピター支店の口座へ送金されるという事件が発生した。
この不正送金問題は依然調査が続けられている。そのような中、RCBCのロレンソ・タン頭取兼CEO(最高経営責任者)が辞職した。これまでのRCBCの内部調査においては、ロレンソ・タン氏は不正行為には全く係っていないと結論付けられているとのことである。それにもかかわらず辞職したのは、このような事件が起きたことに関してのトップとしての監督不行き届きに責任を感じていること、継続中の調査に全く関与しないという状況を作るためと考えられる。
なお、ロレンソ・タン氏は既に3月下旬から休職している。タン氏は事件への関与を否定しながらも、「事件解明調査に頭取として圧力をかけるのではないか」という不当な風評を避けるためなどとして、RCBC頭取兼CEOとしての職から休職することを申し入れた。RCBCは3月23日開催の取締役会において、タン頭取兼CEOの休職を了承したという経緯がある。休職期間中の臨時頭取兼CEOに関しては、RCBCのヘレン・ディー会長が兼任してきている。