1月のOFW送金、3.2%増の22億ドル

2016/03/16

うち銀行経由分は3.4%増の20億ドルに
日本からは14%減の7千万ドルで8位

 

 フィリピン中央銀行(BSP)対外収支データによると、2016年1月のフィリピン人海外就労者(OFW)からの本国送金額(銀行経由の現金送金額)は前年同月比3.4%増の20億2,200万米ドルであった。一方、日本からのOFW送金額は前年同月比14.0%減の7,000万米ドルであった。

 20億2,200万米ドルのうち、陸上ベースのOFWからの送金は3.0%増の15億7,500万米ドル、海上ベースのOFWからの送金は4.6%増の4億4,700万米ドルであった。 なお、この統計におけるOFW送金額は中央銀行が把握している公式銀行ルートによるものである。

 送金元の国別動向については、1位が米国で前年同月比33.8%減の5億9,300万米ドル(シェア29.3%)、2位サウジアラビアの4.3%増の2億1,300万米ドル(10.5%)、3位カナダの292.4%増の1億8,800万米ドル(9.3%)、4位アラブ首長国連邦(AUE)の31.3%増の1億5,000万米ドル(7.4%)、5位シンガポールの65.0%増の1億3,300万米ドル(6.6%)、6位英国の9.2%増の1億0,300米ドル(5.1%)、7位香港の47.8%増の8,100万米ドル(4.0%)、8位日本の14.0%減の7,000万米ドル(3.5%)など。

 フィリピン海外雇用管理局(POEA)の最新資料によると、2016年1月に認可された求人は8万4,670人。そのうち30.5%は処理済。主にサービス業、製造業、専門職、技術系の職種で、主要ホスト国は、サウジアラビア、クウェート、カタール、台湾、アラブ首長国連邦(UAE)など。

 根強いOFW需要のほか、継続的な銀行・ノンバンク系送金機関のネットワーク拡大、送金市場における金融商品の革新等がOFW送金の成長に寄与している。


OFWからの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル)

項目 年間推移
9年 10年 11年 12年 13年 14年 15年
送金額 17,348 18,763 20,117 21,391 22,984 24,628 25,767
日本から 774 883 914 1,010 904 976 956



月別OFWからの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル、伸率:%)

15年 16年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
送金額 1,956 1,935 2,390 2,126 2,147 2,227 2,253 1,994 2,234 2,164 1,871 2,470 2,022
対前年同月伸率 4.9 8.0 15.9 6.4 9.6 10.9 6.0 -0.6 1.3 -4.2 -6.2 4.9 3.4

(注:14年、15年は改定値)


 国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金+帰国時持参分+非現金型資産贈与含む)によると、1月の包括的OFW送金額は前年同月比3.2%増の22億3,500万米ドル。当然のことながら、従来からの公表データである銀行経由分のみの送金額を上回っている(16年3月15日のフィリピン中央銀行発表などより)。


包括的OFW送金額(単位:百万米ドル、伸び率:%)

項目 年間推移
9年 10年 11年 12年 13年 14年 15年
送金額 19,078 20,563 21,922 23,352 25,369 27,273 28,483
対前年伸率 5.6  7.8  6.6  6.5  8.6  7.5  4.4




月別包括的OFW送金額推移(単位:百万米ドル、伸率:%)

15年 16年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
送金額 2,166 2,142 2,640 2,353 2,374 2,458 2,490 2,205 2,469 2,392 2,068 2,726 2,235
対前年同月伸率 4.4 7.7 15.5 6.2 9.3 10.5 5.9 -0.8 1.3 -4.1 -6.2 4.9 3.2

(出所: フィリピン中央銀行資料より作成、注:14年、15年は改定値)