15年末から12店減少、ミニストップも2店減の517店
首位のセブンイレブン1,620店超へ増加、格差拡大
2013年4月にフィリピンに進出したファミリーマートの店舗網が2015年前半までは順調に増加、2015年5月に100店の大台に到達した。
ただし、業界の競争激化や出店政策の見直しなどがあるせいか、2015年後半以降は出店ピッチが急鈍化している。2016年2月末の店舗数は108店(日本側発表数字、以下同様))にとどまり、昨年12月末の120店、今年1月の111店から2カ月連続の減少となった。2015年2月の91店からも 20店の増加にとどまっている。
2013年の初出店時は3年間で300店オープンという目標が掲げられていたが、2014年央には3年間で500店と上方修正された。しかし、現時点ではこの目標達成は困難となっている。日本のファミーリーマートの2015年8月中間連結決算補足資料においても、2016年2月末の目標として165店と 記されていたが、この下方修正目標をも大幅に下回っている。
フィリピンのファミリーマート店舗数推移(月末値)
年 |
2015年 |
16年 |
時期 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
店数 |
87 |
91 |
95 |
97 |
101 |
105 |
109 |
114 |
113 |
114 |
117 |
120 |
111 |
108 |
(出所:株式会社ファミリーマート資料より作成)
ファ ミリーマートのフィリピン1号店は、2013年4月に、マニラ首都圏マカティ市アヤラセンターのショッピングモールグロリエッタ3の1階にオープンした。 フィリピンに進出するに当たって、ファミリーマートは、伊藤忠商事、フィリピン最大規模の財閥であるアヤラ・グループと有力小売りグループであるルスタ ン・グループの折半合弁会社SIAL CVSリテイラーズ社(SIAL)とともに、フィリピンにおけるファミリーマート店舗の展開を目的に、「フィリピンファミリーマートCVS社」(PFM) を設立した。
すなわち、 フィリピンにおいては、 フィリピン最大規模の財閥で金融・不動産・通信・電機・水処理など幅広い事業を手掛けるアヤラ・グループと、フィリピンを代表する小売グループであるルス タン・グループの共同出資により設立されたSIALをパートナーとし、アヤラ・グループの持つ店舗物件情報や店舗開発に関する豊富なノウハウや、ルスタ ン・グループの持つフィリピン国内における小売業のノウハウなどを共有できるため、よりフィリピン国内に根差した店舗運営と早期の店舗展開が実現できると の期待は大きい。ただし、現時点では伸び悩みという感がある。
フィリピンでは現在、業界首位のセブンイレブンをマーキュリー・セルフサービスやミニストップが追うという構図になっている。そして、ファミリーマート が2013年進出、ローソンも2015年3月末にフィリピン1号店をオープンした。このような状況下において、業界トップのセブンイレブンが急ピッチで店 舗網を 拡充させていることが目立つ。後続コンビニも追撃を図ろうとしているが、セブンイレブンの動きが早く、現時点では店舗数の差が拡大傾向にある。
2015年の店舗純増数はセブン・イレブンの160店に対し、ミニストップ65店、ファミリーマート33店と差がついたが、2016年も同様な状況が続 いている。セブンイレブンが順調に店舗数を増加させているのに対し、ファミリーマートは2015年末から12店減少、ミニストップも同2店減少という結果 となっている。
フィリピンの主な日系コンビニ店舗数(比セブンイレブンは直接的には台湾プレジデント・チェーン・ストアの傘下)
年・月 |
11年末 |
12年末 |
13年末 |
14年末 |
15年3月末 |
6月末 |
9月末 |
12月末 |
16年1月末 |
2月末 |
セブンイレブン |
689 |
829 |
1,009 |
1,282 |
1,341 |
1405 |
1,480 |
1,602 |
N.A |
1,620以上 |
ミニストップ |
327 |
337 |
386 |
454 |
472 |
495 |
511 |
519 |
521 |
517 |
ファミリーマート |
0 |
0 |
31 |
87 |
95 |
105 |
113 |
120 |
111 |
108 |
(出所:各社資料より作成、ミニストップ、ファミリーマートは日本側発表数値)