風力発電の固定買取価格、13%引き下げに

2015/10/18

現行の8.53ペソから7.40ペソ/kWhへ改定
太陽光は9.68ペソから8.69ペソへ改定済み

 

フィリピンでは、2012年に、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)における第一次固定買取価格(20年間固定)が認可された。

   この時認可された固定買取価格は、下表のとおり、水力発電による電力が1キロワット(kWh)当たり5.90ペソ、バイオマス発電同6.63ペソ、風力発電同8.53ペソ、 太陽光発電同9.68ペソであった。これらの認可価格は3年後を目途に見直しが行われるとされていた。

 そして、2014年から見直しが行われ、今年4月に太陽光発電による電力の固定買取価格変更が決定された。エネルギー規制委員会(ERC)は、4月29日発出のERC決議2015年第6号において、「太陽光発電による電力の新固定買取価格は同8.69ペソとする」と発表した。新固定買取価格は第1次の同9.68ペソから約10%の引き下げとなる。

 第1次の9.68ペソはこれまでにFIT対象として承認された70MWの太陽光発電に適用されている。新買取価格の同8.69ペソは今後承認される71MWから500MWまでの太陽光発電に適用される。政府は、太陽光発電稼働能力に関しての当面の目標を50メガワットから500メガワットへと大幅に引き上げたことから、一時は、業界内での固定買取価格引上げ期待が高まったが、結局引き下げという結果となった。

 そして、先週の現地紙報道などによると、ERCは風力発電による電力の固定買取価格を第1次の同8.53ペソから同7.40ペソへと1.13ペソへ、率にして約13の%引き下げを決定した。第1次の同8.53ペソはこれまでにFIT対象として承認された200MWの太陽光発電に適用される。たとえばエナジー・デベロップメント(EDC)による北イロコス州でのブルゴス風力発電所事業などである。

 風力発電第2次FITの同7.40ペソは、TARECギマラス事業(54M)、ぺトロウィンドのナバス事業(36MW)、AWOCピリーリャ事業(54MW)などに適用される。

 再生可能エネルギー固定買取価格(1KWh当たり)の推移

種類 NREB原案 第1次認可価格 改訂(第2次認可)価格
水力 6.15ペソ 5.90ペソ -
バイオマス 7.00ペソ 6.63ペソ -
風力 10.37ペソ 8.53ペソ 7.40ペソ
太陽光 17.95ペソ 9.68ペソ 8.69ペソ

(出所:エネルギー規制委員会資料より作成)
(NRFBとは国家再生可能エネルギー審議会