日本ビザ発給、フィリピン16万3千件で国別2位に

2015/05/22

 

 日本外務省は5月22日、2014年の全在外公館のビザ発給件数が前年比54.1%増の287万3,755件で、過去最高となったと発表した。

 これは、円安の進行などで観光目的の訪日外国人が増えたことが要因とみられる。国籍・地域別発給数の上位3カ国は中国、フィリピン、インドネシアで全体の約8割を占めた。

 上位10カ国の詳細は、1位中国(204万8,108件、シェア71.3%)、2位フィリピン(16万3,386件、シェア5.7%)、3位インドネシア(14万3,437件、シェア5.0%)、4位ベトナム(9万6,648件、シェア3.4%)、5位インド(6万6,696件、シェア2.3%)、6位 ロシア(5万7,606件、シェア2.0%)、7位ブラジル(3万4,217件、シェア1.2%)、8位タイ(2万1,322件、シェア0.7%)、9位米国(1万9,017件、シェア0.7%)、10位韓国(1万8,861件、シェア0.7%)である。

 中国国籍者に対するビザ発給数は、前年の総発給数(約186万件)を約10%上回った。そのうち、観光客については、団体観光、個人観光、沖縄数次及び 東北三県数次ビザ発給数の合計が153万7,884件で過去最高となり、総発給数の約53.5%を占めた。特に団体観光ビザは前年比3倍の約110万人となり、「爆買い」に象徴される中国人の団体観光ツアーの急増が顕著に表れた。中国人へのビザ発給は、尖閣諸島をめぐる日中対立などを受けて2013年は前年比で減少していた。

 在外公館別では、1位が在上海総領事館(87万4,130件、シェア30%)、2位が在中国大使館(50万5,693件、シェア18%)、3位が在広州 総領事館 (28万6,685件、シェア10%)、4位が在フィリピン大使館(15万0,504件、シェア5%)、5位が在重慶総領事館(11万0,054件、シェア4%)、以下、在インドネシア大使館(10万5,566件、シェア4%)、在瀋陽総領事館(10万1,404件、シェア4%)、在青島総領事館(7万1,910件、シェア2%)、在大連総領事館(6万3,116件、シェア2%)、在ベトナム大使館(5万5,784件、シェア2%)の順となり、中国にある7つの在外公館がトップ10入りした。 


 日本政府観光局(JINTO)によると、ビザ免除国を含む訪日外国人は円安や消費税免税制度の拡充などにより、日本への旅行が割安になった結果、 2013年に1,000万人の大台に乗り、2014年は1,341万人であった。

(参考1)日本は、67国と地域の人々に対して短期滞在ビザを免除(2014年12月1日現在)。
(参考2)ビザ発給件数は、数次ビザやビザ免除等もあり、法務省入国管理局から発表される外国人入国者数とは異なる。

(15年5月22日の日本外務省発表などより)。