比コンビニ業界、セブン・イレブンが首位独走
2015/05/21
第1四半期総売上高55億ペソでミニストップの3倍
3月末店舗数1,341、ミニストップ472、ファミマ95
フィリピンのミニストップは、ロビンソンズ・コンビニエンス・ストアーズ(RCSI)によってフランチャイズ展開されている。
RCSIは、三菱商事、ミ ニストップ株式会社、ゴコンウェイ・ファミリー傘下のロビンソンズ・リテイル(RRHI)グループとの共同事業である。1997年にRCSIとミニストップ本社との間でカントリー・フランチャイズ契約が締結された。なお、RRHIは、一昨年11月11日にフィリピン証券取引所(PSE)に新規上場された。
このほど発表されたRRHIの2015年第1四半期(1月~3月)の事業報告書などによると、フィリピンのミニストップのグループ総売上高は前年同期比13.6%増の17億9,600万ペソ、商品売上高は同18.6%増の12億5,600万ペソとなった。RRHIにおける売上高構成比は6%であった。増収は主に新規出店 効果によってもたらされたが、既存店売上高も同5%増と堅調であった。
原価率が9.6%へと改善(前年同期は9.5%)、粗利益は同20.6%増の1億2,091万ペソ、ロイヤリティー・フィーなどその他収入は同 23.6%増の3億3,300万ペソに達した。しかし、販売費用が同30.5%増加したことなどで税金・金利・償却前利益(EBITDA)は同15.1%減の5,900万ペソにとどまった。金利負担なども増加したことで、税引き前利益は同95.7%減の111万ペソへと急減した。
一方、事業基盤拡充は進展している。2015年3月末の店舗数は473店(日本側発表では472店)に達し、前年同月末の402店から71店、率にして18%の増加となった。また、速報値では4月末には484店に達し、前年同月末の406店から一年間で78店、率にして19%の増加となっている。
なお、フィリピンでもコンビニエンス・ストアの普及が本格化しつつある。現在は業界首位のセブン・イレブンをマーキュリー・セルフサービスやミニストップが追 うという構図になっている。そして、ファミリーマートが一昨年進出、ローソンも今年3月にフィリピン1号店をオープンした
首位のセブンイレブンを後続コンビニが追撃しようとしているが、セブンイレブンの動きも早く、現時点では店舗数差は下表のように拡大傾向にある。フィリピンのブランドコンビニエンスストア業界でのセブンイレブンのシェアは約50%と見られる。
セブンイレブンを展開するフィリピンセブン(PSC)の2015年第1四半期(1月~3月)のグループ総売上高は前年同期比24.2%増の55億0,150万ペソ、商品売上高は同25.8%増の45億4,260万ペソ、税引き前利益は同13.8%増の1億6,270万ペソ、純利益は同12.9%増の1億1,290万ペソに達した。収益面でも、ミニストップなどに大きな差をつけている(ロビンソンズ・リテイルやフィリピン・セブンの2015年第1四半期事業報告書などより)。
フィリピンのブランドコンビ二エンス・ストア店舗数とシェア
2010年末 | 11年末 | 12年末 | 13年末 | 14年末 | 14年シェア | 15年3月末 | |
セブン・イレブン | 551 | 689 | 829 | 1,009 | 1,282 | 49% | 1,341 |
マーキュリー・セルフサービス | 287 | 345 | 606 | 680 | 700 | 27% | N.A. |
ミニストップ | 332 | 327 | 337 | 386 | 454 | 17% | 472 |
サンミゲル・フードショップ | 13 | 25 | 60 | 63 | 49 | 2% | N.A. |
ファミリーマート | - | - | - | 31 | 87 | 3% | 95 |
アルファマート | - | - | - | - | 23 | 1% | N.A. |
サークルK | - | - | - | 2 | 3 | 0% | N.A. |
ローソン | - | - | - | - | - | 0% | 1 |
合計 | 1,183 | 1,386 | 1,832 | 2172 | 2598 | 100% | N.A. |