比マクドナルドの業績堅調、14年は増収増益

2015/05/05

売上高17%増の187億ペソ、純利益8億ペソに
店舗数12%増の457店、首位ジョリビーの約半分

 

 マクドナルド・フィリピン(比マクドナルド)は、当地の有力持株会社アライアンス・グローバル・グループ(AGI)関連会社のゴールデンアーチス・デベロップメント(GADC)によって展開されている。第1号店は1981年にオープンした。

 このほど発表された AGIの2014年(1月~12月)年次報告書において、GADC(比マクドナルド)の業績動向が記載されている。それによると、2014年の比マクドナ ルドの売上高は 前年比17%増の187億4,800万ペソに達した。53店の新店効果、35店での改装効果、サービス拡大(営業時間拡大やデリバリーサービス開始な ど)、積極的な宣伝や拡販策の効果顕在化などにより二桁増収となった。ちなみに、既存店は前年比3%増収、そのうち直営店が同2%増収、フランチャイズ店 が同5%増収であった。

 二桁増収の一方、原材料、運送費、人件費などの上昇、在庫コストの上昇、広告宣伝費増加などによりコスト・費用が19.6%上昇した。これらの結果、純利益は前年比1.3%増の7億9,800万ペソ、帰属純利益は同0.6%増の3億8,900万ペソと増益ながら、増収率に比べると小幅な伸びにとどまっ た。
 
 2014年末の比マクドナルド店舗数は457店で、前年末の408店から49店純増(新規出店-閉鎖)、率にして12%の純増となった。457店のうち 247店が直営店、210店がフランチャイズ店。また、24時間営業店は306店に達している。2014年末の従業員数は約2万5千人、2015年には約 8,700人を新規雇用する計画である。

 一方、業界 トップのジョリビーの国内店舗数は858店で、前年末の811店から47店の純増となった。ジョリビーの店舗数は、マクドナルド・フィリピンの約2倍であ り、その差はなかなか縮小しない。ジョリビーのグループ企業であるバーガー・キング43店を加えればその差はさらに拡大する。

 フィリピンは、マクドナルドがハンバーガー市場でトップになれない唯一の主要国でもある。フィリピンのハンバーガー市場ではジョリビーが断トツであり、 フィリピンの国民食とまで称されそのシェアは50%と見られている。ジョリビーはフィリピン最大のファストフード企業ジョリビー・フーズ(JFC)によって運営されている。

 2014年末のJFCのフィリピン国内店舗数は2,301店に達している。内訳はハンバーガーのジョリビー858店のほか、中華のチャウキン410店、 ピザのグリーンウイッチ211店、ケーキ・ベーカ リーのレッドリボン323店、鶏肉・バーべキューのマン・イナサル456店、バーガー・キング43店となっている。海外店舗数は612店舗で総店舗数は 2,913店舗である(アライアンス・グローバル・グループやジョリビー・フーズの2014年年次報告書などより)。